混じりあう―空間が混じりあう
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規模の異なるものの共存

栗本鉄工所 横山 あおい

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都市には、 ありとあらゆることが発生する。

これらのことが、 うまくバランスがとれてこそ、 都市の居心地の良さが存在するのだ。

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画像t085-1 人間に様々な人間がいるように、 都市には様々な生活がある。

人間の欲求のまま自然発生的に存在したものもある(大阪市天王寺区)

画像t085-2 人々が知恵をしぼり綿密に計画し、 築いたものもある(大阪市天王寺区)
画像t085-3 それら様々な事柄を共存させていく工夫が、 居心地の良い都市空間を作るのである。

それは、 単に遮蔽して分離することとは違う(大阪市天王寺区)

 都市には、 人間が考えられる様々な事柄が存在し、 常に変化し、 便利さをつくり、 刺激を与えてくれる。

都心居住を考える上において最大の魅力の一つであり、 これらが心地よく共存すればするほど、 その魅力が広がり、 増すのである。

   

 存在そのものを認めなかったり、 遮蔽行為を含めた様々な行為、 権力や権威があらわになったデザインなど、 この世の中に存在する人びとが共存していくうえでの配慮のなさが、 人間を幸せにしてくれないのである。

   

 意地悪ばかりしている人の顔は、 好きだろうか。

言い訳ばかり言っている人は、 素敵だと思うのだろうか。

自己主張や自分の権利ばかり主張する人と一緒にいたいと感じるだろうか。

   

 都市をつくる空間には大小さまざまの規模のものがある。

巨大なモノと微小なモノをどのように隣接させるか、 多様なスケールの物体をどう配置し、 共存させるか。

これに失敗すると住みづらい都市になってしまう。

   

 人が人によって様々な影響を受けるように、 都市が人に与える影響も大きいのだ。

都市のデザイン如何によっては、 都市は、 人間を悪魔に変えてしまうかもしれない。

   

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このページへのご意見は前田裕資

都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

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