混じりあう―動きが混じりあう
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路地網は都心の公園

SESTA DESIGN 清水 泰博

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街の細街路が一部でも人のための道になっていれば、 そこは都心における公園になり、 街に張り巡らされた自転車道にもなることができる。

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画像t091-1 観光化され過ぎてはいるが、 人のための道だから街に親しみを持つことが出来る(高山市三町)
画像t091-2 自動車も商業施設も入れずに取り残された細街路の街並みにこそ、 逆に都心居住の可能性がうかがえる(京都市六条通り)
画像t091-3 現在の道路網に人間の為の道の「路地網」を加えてみてはどうか。

そのような二重の街路網は魅力的な都市を作り出せないだろうか

 日本には元々庶民のための公園というのは存在しなくて、 それにあたる空間が神社や寺院の境内であり、 町中の「道」であった。

特に「道」は昔から様々なコミュニケーションの場であると同時に、 自動車が出現するまでは最も身近な子供達の遊び場でもあった。

   

 現代の道路にはそのような面影はほとんど見られないが、 人のための道を積極的に町中に作っていくことも現代の都市政策としてあっていい。

今の都心は自動車のための道ばかりで、 そんな道は高齢者や小さな子供達にとっては危険な場所でしかない。

このような居住にふさわしくない環境では、 人々が郊外に移っていくのも賢明な判断と言わねばならないのだ。

都心に留まりたくとも留まれない人々のためには、 都心がもっと生活に適した場所であることが必要だ。

自動車の通らない路地に沿った空間は、 安全で、 静かで、 排気ガスのない、 正に居住に適した場所になる。

   

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