混じりあう―動きが混じりあう
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通う道を楽しく

学芸出版社 前田 裕資

* * *
都心に住んでいれば通勤は徒歩か自転車でOK。

だけど気持ちよく通えるかというと疑問である。

* * *

画像t092-1 駐車違反の車に排気ガス。

自動車に乗っている人から見れば危なっかしいのは自転車のほうだろうが、 誰も好きこのんで大通りを走っているわけではない(京都市七条通り)

画像t092-2 人がいて家がある。

そんな風景は自然とはまた違った意味で心を和ませてくれる(京都市島原)

画像t092-3 細街路を辿ってもなかなかうまく辿りつけない。

ところどころで断ち切られる。

裏道のネットワークで町全体を再生しよう(京都市山陰線高架)

通勤時間はやっぱり無駄

 「慣れればたいしたことはないんですよ」と言う人もいるが、 往復3時間もかけて通勤するのはどう考えてもしんどい。

仕事場が都心にあれば、 やはり都心に住みたいと思うのは当然である。

   

 多くの仕事人は何らかの理由で我慢して都心を離れているのではないだろうか。

先日も「僕さえ我慢すれば家族はハッピーだから」とある人が言っていた。

往復3時間以上をかけている人の弁である。

   

道が貧しいのだ

 しかしである。

たとえ30分といえども仕事前後の貴重な時間である。

リフレッシュしたい。

だが、 コンクリート砂漠の中、 自動車の排気ガスと事故の危険に脅かされながら通うのは情けない。

   

 なにもサイクリングロードのように自然に恵まれたところを望んでいるのではない。

現に京都には緑とはまた違った意味で心を和ませてくれる町の情景が至る所にある。

そんな町を軽い乗りで走りぬけられたらどんなにか素敵だろうか。

   

 なのに、 部分、 部分には残っているそのような空間は、 完全に分断され、 あまつさえ自動車に侵略されているのだ。

   

 裏道を大切に。

かつ、 人に優しい連続性をもってつないでゆくことによって、 町の再生ネットワークをつくるといった計画技術を期待する。

   

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