何でも揃い、 活気のある市場は、 都市ならではの魅力だ。市場のない街なんて…。
市場は、 デパートや専門店などの“表”とは異なる“裏”の魅力をもった賑わいの場所である。
田舎で育ち、 現在も郊外に住む私にとって、 妻の実家を訪れたついでに出かける市場は、 都心居住の愉しみを想像させるに十分な魅力を備えた場所である。
市場の魅力は、 新鮮な物が豊富で安いことは勿論、 何と言っても開放的で活気があること、 しわがれ声の商売のプロを相手に緊張しながらのやりとり、 狭い通りの中を譲り合い・触れあいながら歩くお祭りのような雑踏感などだ。
この市場もスーパーに押されぎみであるが、 都市の魅力の一つとして存続させたい。
尼崎の市場はいつも賑わっていて感心するが、 それを支えているのはプロに徹した商業者と、 タクシーに乗ってまで買いに来る目の肥えた周辺の都市居住者だ。
行政の過保護と住民の無関心のもとに開店休業状態にある○○市場や某ニュータウンの近隣センターなどと、 この辺りが大きく異なる。
市場の愉しみを味わえるのが都心居住者なら、 存続させるのもまた都心居住者ということか。
最後に、 もし都心に住むなら市場のあるところ、 でもちょっと離れたところ。