混じりあう―時きが混じりあう
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都市の季節をつくる

大阪大学 小浦 久子

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自然がなくても季節はある。

コンサート・シーズンやクリスマス・イルミネーションが都市生活のリズムをつくり、 都市の季節感を演出する。

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画像t104-1 オペラ・ハウスのチケット売り場。

毎年繰り返されるコンサート・シーズンが都市の季節をつくる(ロンドン、 ロイヤル・オペラハウス横)

画像t104-2 高層ビル街にあるいつもは静かな広場が、 クリスマスシーズンを伝える装いを始めた。

街が季節を演出している(ニューヨーク、 IBMアトリウム)

画像t104-3 毎年夏がくれば鴨川沿いに床がでる。

季節のデザインである。

都市の季節は生活のリズムを映す(京都市鴨川)(写真提供:材野 博司

 都市の季節は人がつくる。

欧米の都市では、 クリスマスが近づくと、 街なかではビルも広場もショーウィンドウもイルミネーションやデコレーションでクリスマス気分になる。

冬はコンサート・シーズン。

そして通しチケットが終わる頃、 夏が近づいてくる。

夏のバケーションの間は、 都市には観光客があふれ、 普通の人々は街を出ていく。

   

 ロンドンでは7月と2月がバーゲン・シーズン。

高級店も百貨店もこの期間はお買い得というのを誰もが知っている。

毎年繰り返すことで、 出来事と季節が連動し、 都市の1年のリズムが生まれる。

   

 日本のお祭りは、 伝統的な生活の節目や農作業の節目に神様と出会う行事である。

それが実質的な意味を持たなくなってきて、 今では祭(=イベント)が季節となりつつある。

イベントというのではなく、 夏の京都の床の風景のように、 都市のリズムをつくるような日常の都市生活に根ざした出来事が繰り返されて、 都市の風物詩が生まれてくれば、 都市生活が季節を持つようになる。

それが生活の場としての都市のデザインにつながる。

   

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