混じりあう―怪しさが混じりあう
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生活都心をデザインするすき間

住宅・都市整備公団 千葉 桂司

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高密な都心では建物のすき間が極めて重要な意味をもつ。

すき間はみちであり、 広場・緑地であり路地である。

そして水路も。

こうした空間が無ければ、 都心生活は悲惨である。

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画像t112-1 都心に近接したボストンコモンは、 豊かな緑と水を提供し、 健康な都心居住者の憩いの空間として利用される(ボストン、 コモンと都心)
画像t112-2 建物間のすき間がこれほど魅力をもった街は、 ベネチアをおいて他にないだろう。

水路と路地のラビリンスは、 妖しいドラマを連想させる(ベネチア、 キャナル)

画像t112-3 大きな公園だけが価値があるのではない。

街のあちこちにポケットパークが散りばめられていれば尚嬉しい。

そこに大げさな装置などいらない(マンハッタン)

 都心居住の大半は積層集住にならざるを得ない。

しかも自住戸は資金力がない限り、 中々大きくはできない。

その狭い生活空間を補うのが外部の共用空間、 即ちすき間である。

このすき間が豊かであればあるほど、 都心居住の住み心地は良くなる。

   

 すき間も大小、 長短、 広い狭いがある。

マンハッタンのセントラルパークやボストンコモンなどは、 超高密都心の生活を支える広大な緑と憩いのすき間である。

ところが、 すき間は大きければいいというものでもない(夜は物騒になる等)。

光を通し風を運び、 高密感を和らげ、 憩いの小空間を提供する適度なスケールのすき間がたくさん欲しい。

例えばみちも、 騒がしい表通りに対して、 安心して歩ける一筋ウラの生活みちとか、 近所の人達の声がはずむ小さなひろばとか路地は居心地がいい。

ポルティコのみちにはリズムがある。

   

 地価の高い都心で土地を買ってまでは造れないが、 容積のオマケでできる、 ちょっとした公開空地でも、 デザインの工夫で見事なポケットパークが造れるはず。

そうした小さなすき間をたえず散りばめ積み重ねることで、 大きな都心を住み易いものに変えてゆけるはずである。

   

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