露店の魅力は、 物の安さと買うときのやりとり、 だらしなく並べられた物の美しさ、 偽物や口上の怪しさ。こんな魅力が商店街にもある。
子どもの頃、 一番楽しかったのは、 神社の参道に数百軒並ぶ露店を飽きることなく一日中見ながら過ごした旧正月の3日間だ。
バンコックを訪れたとき、 歩道に延々並ぶ露店に子どもの頃と同じ興奮を感じた。
露店の魅力は、 次から次へ見て歩ける楽しさ、 物の安さと買うときのやりとり、 だらしなく陳列された物のもつ美しさ、 偽物や山師的な口上の怪しさなどである。
露店のもつ魅力を味あわせてくれるところが都心にある。
露店のような店が並ぶ商店街だ。
尼崎の商店街は、 ほとんどの店が目玉商品を並べたワゴンを道路(歩行者専用)に1m以上出している。
ひどい店は交差点の真ん中で商売をしている。
商店街というより露店街に近い。
休業日の銀行の前などには、 アクセサリーを売る外人や占い師などがホンモノの露店を並べ、 怪しさを高める。
それでなくても狭い道路に人があふれ、 休日にはお祭り状態になる。
物を出せば良いとか、 物を道路に出すことを認めようと言っているのではない。
道路にはみ出したワゴンに見られる商人魂と、 買い物を楽しむ周辺居住者の目、 時々はみ出しのパトロールをするがこれを大目に見る行政の大らかさ。
これらがワクワクする商店街、 怪しさを生むほどの活力ある商店街をつくるのだと思う。