連鎖するデザイン―ストラクチャー・デザイン
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仰角と俯角の眺望を活かす

住宅・都市整備公団 西 斗志夫

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水面や緑の広がりとその向こうにそびえ立つビル群。

仰角あるいは俯角の眺望性が、 都心居住の魅力のひとつである。

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画像t122-1 ワシントンハイツから見た夜のダウンタウン。

間近に見えるダウンタウンの夜景は見事である(ニューヨーク)

画像t122-2 ワシントンハイツから見たブルックリン橋(ニューヨーク)
画像t122-3 ワシントンハイツのそばの水上レストラン“リバーカフェ”から見たダウンタウンの夜景。

窓一杯に広がる夜景は圧倒的(ニューヨーク)

ニューヨークの都心居住

 マンハッタンとブルックリンを結ぶ最初の橋が、 “ブルックリン橋”である(世界中の橋梁の中で、 パリの“芸術橋”と共に最も映画などに登場する橋であろう)。

この橋の東詰にワシントンハイツという高級住宅地があるが、 そこからの眺望は圧倒的である。

なぜなら、 ブルックリンのワシントンハイツ付近は、 川(実は海峡)の幅が最も狭く約500mしかない上、 向かい側にダウンタウンのビル群が並び立っているため、 ちょうど窓一杯に夜景が広がるからである。

   

 ここからの風景が大都会ニューヨークを最も実感させてくれる風景のひとつである。

ここは、 仰角の眺望が魅力である。

   

 一方、 セントラルパークの西側にあたるアッパーウエストサイドでは、 セントラルパークの巨大な池越えに朝日が臨める。

緑の少ないマンハッタンの中にあって、 このエリアは都心近くでありながら、 緑の多い別世界である。

こちらは、 俯角の眺望が魅力である。

   

 一般的に、 治安や落ち着きに弱点のある都心居住をより活性化させるためには、 郊外住宅地にはない魅力付けをする必要がある。

そのためには水面や緑あるいは間近に見えるビル群の眺めといった眺望資源を積極的に活用するのも有力な方法であろう。

   

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