連鎖するデザイン―ストラクチャー・デザイン
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『もてなし』都市

大阪芸術大学 田端 修

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都市観光の時代がはじまったと言われるが、 心地よい「もてなし」空間のデザインが課題になる。

住み手が観光客をもてなす都市環境づくりを考えたい。

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画像t124-1 夏場のポンピドーセンター前の大広場は雑踏のような混雑をみせる。

いまや美術館もしくは現代建築が観光資源となり得ることを思い知らされる(パリ)

画像t124-2 ポンピドーセンターに隣接する何気ない表情の市街地カルチエ・ローロージュはパリ市が再整備した住宅群である。

彼らは住む場所の整備を決して忘れない(パリ)

画像t124-3 もちろんカルチエ・ローロージュの足下には、 カフェテラスやサービスショップが設置されており、 観光客を引き止め、 もてなす用意ができている(パリ)

都市観光の時代

 都市はもともと異なる文化集団が交流・交錯する場所であったから、 「もてなし」の文化空間であったともいいえよう。

これからの都市観光の時代にあって、 観光客を市民が「もてなす」環境的構造をデザインすることが望ましい方向である。

   

住み手が紡ぐ「もてなし」都市

 このためには、 まずは都心部に人が住むことが必要である。

街路沿い店舗が住み手によって経営され、 ガイド役が市民ボランティアによって維持されているなら、 わざとらしくない、 自然な「もてなし」が可能である。

多くの人が集まる名所づくり・文化拠点形成に加えて、 新しいショップハウス(商住併存住宅)のデザイン開発、 歩きやすくてやさしさに満ちた環境デザインなど、 市民主体の「もてなし」都市形成への努力によってこそ都市観光の時代をリードできる都市たりうるのではないか。

   

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