連鎖するデザイン―ストラクチャー・デザイン
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大通りとまち通り

大阪芸術大学 田端 修

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「大通り街区」と「まち通り街区」の区分によって建物規模や用途などを誘導し、 居住可能な混成環境としての都心空間秩序を誘導したい。

そのキーワードとしてマチナカを提案する。

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画像t127-1 大通りを外れた細街路主体のまち通りに面して、 各種の店舗・仕事場が散在し、 適度な賑やかさと安心感が広がっているのがマチナカである(京都市中京区)
画像t127-2 マチナカのウラ通りにあたる路地では、 オープンスペースと建物・住まいが一体になって「静けさ・緑・コミュニティ感」を醸成している(京都市西陣)
画像t127-3 大建物街区と中小建物街区の提案(田端)

居住環境確保の仕組み

 都心地域では今後とも土地の高度利用がすすむことになろうが、 高層ビルのみが市街地全体を隙間なくおおうことにはならないであろう。

中低層建物が支配的な一帯にそれらが無秩序に乱入・林立することになると居住環境の維持・確保も困難になる。

なんらかの誘導・コントロールの仕組みを創案する必要がある。

   

「大通り街区」と「まち通り街区」

 例えば京都の都心部では、 高層ビル化・業務地化のすすむ「大通り街区」と、 部分的に中小ビルやマンションが建ち始めている「まち通り街区」という区分が可能であることがわかる。

後者はさらに在来型の町家や中小ビルからなる「オモテ」、 路地と長屋住宅などがつくる「ウラ」があり、 街区としてみると、 小さな商工住ユニットが絡まり合いながら互いの環境を形成し合うという、 入れ子のような市街地構造ができ上がっている。

この構造に沿って、 「大通り街区」は商業業務機能型の大建物街区、 「まち通り街区」は居住機能を含む中小建物街区として、 それぞれに敷地規模や建物高さをコントロールするわけである。

「大通り」と「まち通り」の役割を明確化し、 住める都心環境を創出する方策として提案したい。

   

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