連鎖するデザイン―エンバイロメント・デザイン
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文化小都心開発

大阪芸術大学 田端 修

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高次文化施設のまわりは都心居住には格好の適地である。

ここに人が住むことによって小さな文化都心を各所に配置していく都心整備策を提案したい。

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画像t131-1 オフィス街のなかに立地している大規模ホール。

夜の公演がはねた後の観客の急ぎ足とその後の夜道の寂しさが容易に想像できる(大阪市中央区)

画像t131-2 再開発市街地バービカン・センターは、 数々の文化施設と2,000戸あまりの住宅群を複合させた都心住宅地である(ロンドン中心部)

さびしい夜道

 劇場にしろコンサート・ホールにしろ、 公演がはね、 大量の客がおおあわてで帰途についた後は森閑としたオフィス街や住宅地に変わるところが多い。

できれば近くのレストランやスナックで余韻を楽しみたいが、 そんなミセの成立しにくい場所がらである。

みんなから遅れると帰り道は暗くて怖い。

電車がなくなると大変といった事情もある。

   

文化施設のまわりで高密度住宅開発

 都心地域に蓄えられている大規模な劇場・音楽ホールなどの文化施設群のそばに人が住むことになれば、 適当な生活施設も形成され、 観劇後の時間をゆっくり楽しみたい人がひとときを過ごし、 また、 明るい道を安心して最寄りの駅に向かう環境をつくることもできるだろう。

そうなってこそ文化的都心ということになるのではないか。

いまは文化施設は都市の中で孤立したままの建物の塊に終わっている。

これらを都心型高密度居住適地として活用し、 あちこちに文化小都心を整備するという提案を示しておこう。

   

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