ちょっとした配慮のなさが、 人間に危険をイメージさせてしまい、 安心して暮らしていけないようにしていることもある。
便利さと安心のどちらかを優先するときには、 やはり安心が優先するのではないだろうか(泉大津市) | |
都市が発達し、 複雑であればあるほど、 便利なものが危険なものとして人に感じられるケースが少なくない(大阪市天王寺区) | |
細部に至ってみるならば、 単純な発想の目的意識だけで作られたものの多くは、 人間に不快感を与え、 都市を住みづらくしている(吹田市江坂) |
大方の場合、 広い地域に少しずつ街が大きくなり成長し都市へと変化していくのである。
あまり大きくなく、 複雑でない街の場合には、 さほど気にならななかった電線やフェンスなどが、 街が大きくなり複雑化することによって、 急に目立ちはじめ、 安全に配慮しているにもかかわらず危険が感じられる。
高度経済成長期に日本が、 機能優先を押し進めてきたことの弊害が、 こんな些細なところにもあらわれている。
人は、 ごちゃごちゃ感に暖かさやエネルギーを感じることがしばしばであるが、 また一方では、 息苦しさを覚え、 さらに状態によっては、 危険をイメージしてしまうことがある。
このような不快さ、 不安定要素は、 ほんの少し人の心に配慮することによって、 かなり改善されるのだ。
そうなれば、 もっと都市というものが、 居心地の良い空間として存在できるだろう。