連鎖するデザイン―エンバイロメント・デザイン
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水と遊ぶまち

都市環境計画研究所 長谷川 弘直

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都市から川が消えると同時に、 生物や花・みどり・水景が激減し、 乾いた街になった。

今、 そこに水と遊ぶまち空間を再生する作業が、 様々な空間デザインとして試みられている。

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画像t135-1 都市の下水処理水を利用した、 自然風景的な水の流れる通りで、 周辺の都市・建築群を忘れさせてくれる(豊中市豊能南部水路)
画像t135-2 新しい都市空間に流れるキャナールの広場。

夏は子供達のプールになる。

無条件で楽しい空間である(神戸市六甲アイランドモール)

画像t135-3 下町住宅の狭い空間を流れる水路。

石の素材や草花が見事に調和して、 住民の憩いの空間となっている(枚方市枚方水路)

 都市のなかに親水空間として水路やキャナール・せせらぎ緑道などをつくり、 乾いた街にうるおいを創出し、 水や河川への郷愁をつくる。

   

 水源は農業用水や下水処理水、 上水などを用いて、 都市デザイン的に、 あるいは自然風の小川やせせらぎをつくる。

   

 本来、 人間は水があり、 川のある所に住み、 そこに産業や経済が発展して都市が成立していった。

   

 しかし、 治水・利水・遊水の機能のなかで治水が優先され、 利水価値のない所は埋め立てられ、 身近な都市風景から柳や桜の堤の水景が消滅していった。

その免罪符ということではないであろうが、 川水を美しく、 さらに多自然型護岸や親水性を高めた運河的デザインなど、 水景のつくりなおしが行われている。

   

 そんな場所がコスト的に維持管理が続かず、 枯山水化した水路をみかけてガッカリすることもある。

   

 一番素晴らしいのは、 高密度化された都市の狭間で元気な子供達が水と遊ぶ光景であり、 都市における水との関わり、 水景空間デザインのチェックポイントのような気がする。

この意味から、 川・水面は花・みどりなどの自然景のシンボルであり、 住むための環境のシンボルでもあると言うことができよう。

   

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