大地への取組み
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三つの領域と自然との関わり

改行マークムラ、 ノラ、 ハラといいますと、 全部語尾に「ラ」が付きます。 ある空間を指す言葉が「ラ」なのだろうとおもいます。 「空(ソラ)」も「ラ」が付きます。 ある種の空間的な広がりを我々が示すときに、 古代あるいは古くは、 「ラ」という語尾が付いていたのだろうと思います。 別の語源説もありますが、 私はこう考えています。

改行マーク全くの自然があったとすれば、 私たちがそこを割き取って、 生活する場を作らせてもらったわけです。 ヤマでさえ、 あくまで人間が作って割き取らせてもらっている自然です。 ですから、 ヤマも全くの自然ではありません。 原生林が覆い茂り、 自然に流れている沢水があるわけではないわけです。 雑木林であれ、 植林であれ、 全て我々が作りだした自然です。 私たちが暮らす中で、 編成しているところすべて、 我々の手が及んでいる状態であって、 ムラ、 ノラ、 ヤマでは、 それぞれ自然との関わりの程度が違うんだということを考えていかなくてはならないと思います。

改行マーク私たちはよく村の調査をします。 村の調査に行って、 何かほっとするのは、 傾斜とか、 あるいは流れとか、 色々なものとして今も自然が示しているところがあるからです。 圃場整備が進んだ、 まっすぐな道路を歩いているのはつまらないわけです。 バス停を降りて、 山に沿って、 曲がりくねって、 先に必ずしも村がはっきりと見えないけれども、 見え隠れしながらだんだん村に近づいていく。 そうすると何か、 歩いている途中も楽しいのです。

改行マークムラを作るにしても、 あるいはノラにしても、 自然を決して無視して作っていないのは、 あたりまえのことです。 それが、 場合によっては曲がりくねったあぜ道、 あるいは、 水田の区画であるわけです。 もちろん、 そういう水田の区画は、 耕耘機、 コンバインその他が入らず、 非能率的なものであるということは、 百も承知であるわけですが、 しかし、 そういうものがもたらす暖かみはあると感じております。

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