大地への取組み
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

村の中心としての村境

改行マークムラは、 そういう点ではノラとかヤマに比べて特別な存在だったのです。 その中に、 人々は屋敷を設定して、 暮らしてきたわけですが、 この村境は、 単に外からのものを阻止する、 そこを通して中に発生した危険なものを排除するというということだけではありません。 この村境が持つ大きな意味は、 そこが村の中心としての性格を持っていたということです。

改行マークというのは、 ムラの境で、 外から来る危険なものを阻止するにも人々は結集いたします。 あるいは、 逆に歓迎すべきものは村境で待ち受けます。 伊勢へ代参でお参りをして、 村へ帰ってくると境迎えということで、 村境で迎えるということは各地で行われてきました。 今でも行われているところもあります。 色々な形で、 村境は村の中心としての機能を果たしてきました。

改行マーク日本のムラには、 広場がありません。 広場という言葉自体は古いのですが、 日常的に使われることはほとんどなかったわけです。 広場は、 戦後になって、 日常的には使われだしたんだろうと思います。 お寺の境内、 神社の境内、 あるいはムラの会議所とか、 会所と呼ばれる集会施設の前が、 ちょっとした広場的な機能を果たしていましたが、 それに加えて、 非常に重要であったのが村境のところです。 ここが、 広場としての機能を持っていました。 要するに、 人々はそこに結集したということです。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は都市環境デザイン会議関西ブロック

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ

学芸出版社ホームページへ