大地への取組み
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事業面での工夫

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販売面の危惧
改行マーク事業サイドから「このプランではできない」というクレームが出て参りました。 要するにこれでは売れないということです。 当時、 西脇市には、 地元の販売会社が11社ほどあったのですが、 そこが年間110戸とか120戸程度販売しておりました。 ですから、 この計画の350戸が短期間では売れるわけがない、 良くて年間30戸程度がせいぜいだというのがマーケティング会社の予測でした。

改行マークそうしますと販売期間は10年ぐらいになります。 事業が長引けば、 その分金利負担等が増えます。 ですから最初は大変な赤字プロジェクトといわれました。

改行マークそういったことから、 実施計画レベルでは色々な対策を講じられました。 例えば計画面では、 このような自然を大切にした住環境を作る団地とは、 できれば集合住宅とか建売の戸建住宅で、 環境にあったものを提案してゆきたいというのが、 我々計画者サイドの考えであったわけですが、 むしろ土地分譲でいこうということになり、 やむなく宅地分譲にあった区画割に急きょ変更しました。 ただ、 斜面地も宅地として販売しておりますので、 どのような住み方ができるのかということを提案して、 顧客に分かってもらわなければなかなか買ってもらえないということがありましたので、 実施段階では、 モデル住宅を3つほど建設し、 販売されました。

改行マーク顧客への対応としましては、 計画の良さをともかく知ってもらおうと、 営業サイドの人が大変な努力をされたと聞いております。 クルドサックとは何かも、 一般の人はよく分からないし、 こういった形式での住宅地開発は関西ではまずなかったかと思います。 一般の人にどうやって違いを分かってもらうのかが大変なことだったろうと想像できます。

改行マークその違いが非常に良いことなんだということを、 何とか理解してもらうためにいろんな手だてが講じられました。 例えば、 著名人との対談を仕組んで、 この住宅地は環境が豊かで、 いい住宅地であるということを、 PRしてもらったりしたともいいます。

改行マークまた、 今は緑風台ということになっていますが、 そのネーミングを募集したりしています。 ネーミングを募集した理由は、 ネーミングしようとしたら、 やはりこの住宅地のコンセプトを一般の人も考えてくださるわけですので、 分かってもらえるんじゃないかと期待したからということです。

改行マークもともと商圏内の人口が少なかったものですから、 広域で集めようとしていたわけですが、 思い切ってターゲットをしぼり、 西脇市やその周辺市町にダイレクトメールを送ったりもしています。

改行マークこの報告に先立って、 関係者の方にヒアリングを行いましたが、 販売面で考えられることは全て行ったということでした。

改行マーク様々な取り組みの結果、 実際の売れ行きは予想以上で、 販売当日31区画に200人の応募があり、 即日完売であったと聞いております。 昭和53年から55年頃ですから、 こういう住宅地はだいたい抽選なしで購入できるケースが多かったかと思うのですが、 それほど人気が集ったということです。 そういったことで、約2年半で全て完売されました。

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