大地への取組み
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土木デザインという仕事について

改行マークさて、 私の話はみなさん方とは違った角度で進めていきたいと思います。 土木デザインは、 ご承知のように安全性を重視した構造設計が基本です。 つまり、 丈夫で長持ちすることがその根本精神にあるのです。 ですから、 ややもすると無骨な形になりがちなところがあろうかと思います。 人間にたとえたら骨格が丈夫で筋肉質な子を育てようというのが、 土木デザインのスタートになります。

改行マークしかし、 最近では丈夫な体だけでなく少しドレスアップして、 環境にもマッチしたものに仕上げていこうという傾向になってきました。 これは非常にうれしいことだと思っています。 やはりTPOに即したものを作り上げることが大事ではないかと思っています。

改行マークある会社では「建設は未来に送るメッセージ」というテーマを掲げていますが、 建築でも土木でもバランスのとれたものを作っていくことが21世紀を見据えた最もいいデザインだと思います。

改行マーク私は、 先ほどの紹介にもありましたが、 仕事の前半は「陸のマドロス」と呼ばれたほど全国各地の現場で自然に挑戦してまいりました。 ここにおられるみなさんは大半がプランナーの方だと思いますが、 単なる「絵描きさん」ではなく、 次のステップの設計、 施工という立場をふまえ、 物事ができあがるまでにどういうプロセスを経てくるのかを十分配慮して、 いいプランニングをしていただきたいと思います。

改行マーク今日は私が携わったプロジェクトのうち、 3つをピックアップしてご紹介しますが、 その前に土木ということについて簡単にご説明いたします。

改行マーク土木という言葉は、 中国の「築土構木」という言葉に由来しています。 昭和30年代前半までは、 阪大に「構築科」があり、 その中に土木も建築も含まれていました。 大昔には、 大型の建築はすべて土木の範疇だったと聞いています。

改行マーク土木は土と木という言葉からできていますが、 私は実際には土と水の学問だと思います。 水という面から土木を見ると、 利水・治水の2つの立場があります。 デザインをしようという方々の立場から見ると、 利用しようとする利水に目が行くのではないかと思いますが、 しかし、 治水、 いかにして水という自然に挑戦するかも大きなテーマです。 平家物語にも平清盛が「賀茂川の水の治めにくさ」に悩むせりふがあります。 当時は賀茂川がしょっちゅう氾濫して困っていたようです。 戦国時代の武田信玄が「信玄堤」を作って民の暮らしに貢献したという逸話もあります。 「水を治める者は国をも治める」という中国の故事にあるように、 土木と政治は古代から密接な関係にあるわけです。

改行マークところが、 現代の日本では土木産業は3Kはおろか9Kの職場とも言われるようになってしまいました。 汚いとか、 危険、 怖い、 休日が少ないとか、 あまり良いイメージはありません。 11月18日は「土木の日」ということになっているのですが、 どうもマスコミ受けしないようで一般の人は誰も知りません。 マスコミも暗いイメージだけを宣伝するのではなく、 市民の暮らしにもっと近いものだということを伝えてくれないと困ります。

改行マーク余談ですが、 建築の人は「建築家」と呼ばれますが、 土木の人間は「土木屋」としか呼ばれないものです。 やはり、 建築の人の方が「芸術家」に近いのかと思ったりしますが、 今後は建築も土木も大いに融和していい結果を21世紀に残していきたいと思います。

改行マークさて、 土木を場所別に分類すると、 山岳土木、 都市土木、 海洋土木の3つに分かれ、 さらにデザイン面から分けると点、 線、 面に分けられると思います。 その中から、 私の関係したプロジェクトの中から3つを選んでご紹介したいと思います。

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