(左)イメージ図/(右)アクセス図 |
バブル崩壊等いろんなことがありましたが、 無事にこの98年12月には工事が終わります。 3つあったコスモポリスのうち、 この和泉コスモポリスだけは何とか売れて、 企業に来てほしい、 関空の臨空プロジェクトとして成功して欲しいと切に願っております。
私がNHKの「クローズアップ現代」に出演したせいか、 知り合いから「大変なプロジェクトやったんやなあ」と同情されますが、 和泉コスモポリスについては立派に完了して、 あとは企業誘致を待つだけになっておりますので、 みなさん、 コスモポリス全体が破綻したというような誤解だけは解いてください。
さて、 ここで申し上げたいのは、 「用地集約は人の心の集約だ」ということです。 どんな立派な絵を描こうとしてもキャンバスがないと描けないわけで、 キャンバスに相当するのが用地です。
まず、 コスモポリスという構想について説明します。 テクノポリス構想というのがありましたが、 これは通産省がテクノポリス法に基づいて全国に26カ所を指定して行っているもので、 先端技術産業団地のことです。 大阪はそんなに辺鄙な場所ではないからという理由で、 指定を受けていないのです。 それならば俺達独自の産業都市づくりをしようということで計画されたのが、 このコスモポリス構想です。 アメリカのシリコンバレーを目標に、 南大阪に先端技術産業団地を造ろうとしたわけです。 しかし、 第3セクター方式でいろんな団体の寄り合い所帯ですから、 いろんな問題があります。 まさかと思った銀行も倒産してしまいました。 この種のプロジェクトでは、 経済の安定性も欠かせないと痛感した次第です。
用地集約について言えば、 プランナーのみなさんの中には計画図ができるとすぐ地権者の所に行って交渉される方がおられますが、 地権者の気持ちを十分汲まないととんでもないことになります。 「売る気なんかないのに、 そんな絵を見せて、 なんじゃ」と鉄槌を食らうことになります。 大事な人様の土地の上に絵を描く場合は、 心してかからないと最初の時点でつまづいてしまうのですね。 そういう意味で、 土地と人の心が微妙に関係していることを実感した体験でした。