参加型デザインの実践
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今、 なぜワークショップか

改行マーク私の担当のセッションIIは、 皆さんに参加していただいてワークショップを丸ごと体験していただくという試みです。

改行マークではこのワークショップとは何か、 どう捉えるかということが問題です。 ワークショップにはアレキサンダーやサノフ、 ルシアンクロールなどの先例があり、 さらに言えば日本は日本なりに参加型の村づくり、 まちづくりが昔からあったわけです。 今さらワークショップを取上げる意味はあるのかとも言えますし、 必ずしも新しい手法とも言えません。

改行マークまた隈研吾がコーポラティブハウスを造って“もう2度と参加型はやらない”と日経アーキテクチャアに書いておりましたが、 建築やいろんな世界でも賛否両論があります。

改行マーク私は、 ワークショップはプロセスや結果、 出来上がったもの(アウトプット)を共有しあうことに意味があると考えています。 お互いの共同作業、 共同体験、 コラボレーションということです。 またそれ以上に、 個々人を大切にすることが今日的意味であろうと理解しています。

改行マークワークショップが注目される背景には、 参加意識が国民的レベルで普及し始めていることがあります。 たとえばNPOのような形で日本でも今までと違った変化が興っています。

改行マークもう一つは、 事業内容の変化が挙げられます。 山を削って新しいニュータウンを造ったり、 海を埋め立てて建物をつくるというような、 住民がいない白いキャンパスの上にデザインするという仕事が従来は多かったのかもしれません。 しかし、 今あるいは将来に渡って、 日本は都市の再整備時代、 再開発の時代に入ってゆきます。 そこには先住者もいますし、 いろんな方が関与しています。 その方たちを含めてまちをどうしていくかを考えるべき時代に来ています。

改行マークそこでの問題は、 誰のために、 何の計画・デザインをするかということの兼ね合いにあるのではないでしょうか。 そのバランスが、 従来の国家なり公共団体なりからの一方的なシステムでは動かなくなった。 そこに参加という別のベクトルが必要になったということではないかと思います。

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