参加型都市環境デザインをさぐる
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

大阪大学 小浦久子

地域とテーマ・コミュニティの連携

パートナーシップ推進モデル事業:山手234番館活用実験
横浜市

 

改行マーク横浜市では、 市民と区役所のパートナーシップによる地域づくりを推進するステップとして、 平成8年度から3カ年をかけてパートナーシップ推進モデル事業を実施した。 「洋館を活用した山手の街づくり活動の推進:山手234番館活用実験」もその1つである。

画像04a
修復中の山手234番館
画像04b
パートナーシップ推進モデル事業のめざすもの
改行マーク山手地区は、 良好な環境の住宅地であると同時に、 近代横浜の発祥の地として多くの洋館が残り、 訪れる人も多い。 建てられた当時のまま残る山手234番館(昭和2年)は、 外国人向けのアパートであった。 この修復公開に先立ち、 「山手234番館実験活用」実行委員会による自主管理・企画が試みられた。

改行マークこの委員会は22名で構成され、 地元住民、 地域活動団体とともに、 9名の一般公募(市外の人もある)が参加している。 1年間の検討会を経て、 日常管理マニュアルをつくり、 ボランティア(横浜シティガイド協会)によるインフォメーション機能と館内を整備し、 3ヶ月間の開館期間中に、 様々な展示や企画を行った。 行政スタッフと連携し、 多くの市民ボランティアの協力を得た。 この実験活用の経験が、 室内の改装や設備の計画に活かされており、 公開後の管理・企画の検討も実行委員会を中心に進められている。

改行マーク山手地区のまちづくりは「山手地区基本構想1982」が始まり。 平成4年に、 来街者の駐車場問題に対応する懇談会ができた。 住民、 学校関係者、 地元事業者はそれぞれ地域への思いが異なり、 市が主導してきた洋館の修復によるまちづくりは、 来街者に目が向いていると、 とられることも多かった。

改行マークこのモデル事業は、 地域住民だけでなく、 公募参加や活動団体が参加することで、 山手の環境を守りつつ、 どのようなまちづくりをしていくかを考えるきっかけともなった。 まちの歴史や洋館に関心を持つ地域外の人々(テーマ・コミュニティ)の参加が、 地域内の利害をこえた活動を生む力になったという。

◆参加のデザイン・コンセプト

改行マークテーマコミュニティと地域コミュニティの連携
 「やってみる」から始まるパートナーシップ型まちづくり

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見は前田裕資

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ

学芸出版社ホームページへ