滋賀県の湖北エリアに位置する長浜市は、 豊臣秀吉によって基礎が築かれた街であり、 町衆自治の街として発展してきた。 現在、 市内の各地域で、 市民や地元企業がまちづくりに参加・協力し、 それが成功している街として知られる。
北国街道周辺も、 そのような参加型まちづくりのうちの一つである。
グランドプラン 津田勇夫
伝統的まちなみを活かした新しいまちの風景
北国街道・黒壁スクエアとその周辺
滋賀県長浜市
【北国街道・黒壁スクエアとその周辺】
A.黒壁スクエア1号館[ガラス館] (旧百三十銀行) |
B.北国街道沿い |
北国街道と黒壁スクエア(現在1〜29号館が点在する)は、 「ガラス工芸」(新たに導入)+「伝統的まちなみの風景」の魅力で、 多数の観光客が訪れる中核的な施設である(写真A、 B)。
C.大手前商店街・ファサードに統一感を |
そこには、 伝統的風景の中にも街の人びとの生活感が感じられ、 風景保全に偏重するのではなく、 現代的なもの(ガラスや、 今の長浜に生きる人の生活の匂い)が組合わされた、 地に足のついた新しい風景が造られてきていると感じた。
街の風景の作り手は、 都市環境デザインの専門家のみならず、 そこに生活する/そこを利用する、 様々な人達である。
現在の北国街道周辺の印象的な風景は、 参加型まちづくりによってこそ生み出されてきたのではないだろうか。