参加型都市環境デザインをさぐる
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地域計画建築研究所 堀口浩司
構想から活動へ、 そして事業の実現に向けて
豊中駅前まちづくり協議会 大阪府豊中市 |
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写真1:まちづくりリレー講座:「ゆっくり歩き回れる道路網(1)」
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写真2ー空地利用でのコンポスト
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豊中駅前のまちづくり活動の近況を報告します。
この協議会の特徴の一つは、 協議会の力でまちづくり構想をまとめ上げ、 その構想を豊中市に提案したこと。 更に、 その構想を実現可能なものとするために、 豊中市が「基本方針」を公共サイドで見直し、 官民の共有する意志としてまとめ上げたことである。
まちづくり、 地域改善、 商業振興などの活動的側面と公共施設整備を中心とした都市づくりの計画を同時に進めているところにも活動の厚みが表れている。 中心的な商業地などの自治活動も包含したような活動を示している。
●平成10年度活動内容(平成11年度総会資料より)
1。 まちづくり構想実現化のための活動
(1)東口再開発の学習会(市の都市開発課と共同)
(2)大池小学校地下駐車場建設中止に関する討論会
(3)駅前商業3団体による商業ビジョンの作成
(4)豊中駅前まちづくりのためのリレー講座
(住宅編4回、 商業編4回、 交通編3回、 音楽編1回、 計11回)
2。 まちの改善のための取り組み
(1)クリーン&グリーン作戦
(車椅子による点検、 不法駐輪・はみ出し看板自粛活動など)
(2)自主防災活動
(防災フリートーク、 パネル展示など)
3。 まちの魅力づくり
- 音楽部会の活動
(ジャズフェスタVol.5、 サロンコンサート、 シネマコンサートなど)
- 環境部会の活動
(「生ゴミから堆肥づくり」活動、 空き地利用のポケット花薄、 イベント時の緑の相談所開設など)
4。 まちづくりセンター(2号館)の運営
5。 広報活動
6。 その他
- 大阪大学建築工学科の学生によるまちづくり提案と展示会、 発表会、 講演会
●豊中駅前まちづくり協議会の組織概要
- 経緯:平成5年2月:まちづくり協議会発足
- 平成7年6月:まちづくり構想作成、 市へ提案
- 平成9年5月:「豊中駅前のまちづくりについて−基本方針」(豊中市策定)
- 組織:運営委員会下に、 構想推進部会、 まちづくりセンター部会、 音楽部会、 環境部会、 ・商業部会、 広報部会など9部会
- 会員数:住民,企業約600(権利者に限定しない(内:法人会員30))
まとめ:参加のデザイン・コンセプト
活動の担い手は、 商業者と地域の婦人層が中心である。 商業者は地域改善のためのイベントや商業空間、 都市空間の整備へとベクトルが向いている。 一方婦人層は音楽を通じた地域交流や、 生ゴミから土づくりなど、 豊かな生活スタイルを追求している。 空間と生活の両方の豊かさを求めようとした活動である。
これからは(1)道路整備や再開発(共同建て替え)など、 公共事業との連携をどう軌道に乗せるか、 (2)再開発や商業ビルのリニューアルなど、 住民協議会の範囲でどこまで権利関係に踏み込んでゆけるか、 (3)昼間はまちにいないサラリーマン(ウーマン)をどのようにして参加してもらうか、 など住民参加の地平を切り開くような段階にある。
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