参加型都市環境デザインをさぐる
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GU計画 後藤祐介/中川啓子

みんなでつくる「みどり豊かなまちづくり」

深江駅前花苑、 緑と花の市民協定、 市民花壇等
神戸市東灘区深江地区

 

改行マーク深江地区まちづくり協議会は、 平成2年に自治会をベースに結成された団体である。 芦屋市に隣接するそのエリアは、 阪神深江駅を中心とした約170ha、 約1万世帯の大所帯である。 結成後はまちづくり提案の提出(平成5年8月)、 まちづくり協定の締結(平成7年11月)とその運営(協定委員会の開催)、 等の活動を行っている。 震災後から力を入れるようになった緑化活動が、 より目に見える形となったのが阪神深江駅北に平成9年6月に整備された「深江駅前花苑」である。

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深江駅前花苑:
緑と花の市民協定:近隣の人が参加して緑花づくりが近所付き合いを誘発した。 市民花壇:住民の工夫・熱心さに驚いたが、 緑花活動は継続が大変。
 

改行マークこの駅前花苑は神戸市が所有していた鉄道高架事業用地を利用したまちかど空間で、 広場と呼べるほどの大きさではないが、 セットバックで道路空間に広がりを持たせ、 枕木舗装と花壇、 木製パネルとハンギングプランターの設置により駅前をうるおいのある空間にしている。 花苑オープン日には「花と緑のフェア」を開催し花苗の配布や販売等を行った。 このフェアは現在も続いており今年3月に4回目が開催された。

改行マークそうしているうちに今度は市の事業で「緑と花の市民協定」の存在を知り、 これを利用することにした。 これはある一定規模以上の沿道の世帯で協定を結ぶと苗木やプランターなどが助成されるというもので、 通りに同じプランターが並ぶことでまちなみがデザインされてまとまった雰囲気を出している。 育てていく過程で分からないことを近所に聞いたりしてコミュニティ形成にも一役かっているとのことである。

改行マーク栄公園での市民花壇づくりの際には、 どこからか酒樽を調達してきてプランターにしてしまったり、 柵を作ったり、 周辺住民(主に自治会長さんだが)の緑化D.I.Y精神には驚いてしまう。 ここまでいかなくとも深江には緑化に対して積極的に協力してくれる人が割といて、 その人達や役員さんの努力のおかげで今までの緑化飾花活動が維持出来ていると思う。

改行マーク今後は苗をもらうだけでなく育てる苗圃を地域につくろうという話もあるが、 緑・花といった生き物を扱うだけに、 苗の育成だけでなく人の育成も大きな課題であるといえる。


まとめ:参加型・緑花まちづくりのプロセス

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