大阪の繁華街、 難波から徒歩15分の距離にある下寺町・夕陽ヶ丘町。 この地域には、 25ヶ寺と3つの神社が位置し、 江戸期には寺社巡りや花見など、 一大エンターテイメント空間であったという。 現在でも一心寺シアターや應典院など、 劇場機能を持つ宗教施設が立地し、 新しい、 地域と宗教の関わりを模索する動きが続いている。 昨年3月、 こういった背景を持つ地域を舞台に、 我々のワークショップ、 「歩いてつくろうみんなの寺まち」は開催された。
このワークショップが、 これまでに行われてきたまちづくりワークショップと大きく異なる点がある。 一般に、 住民参加が前提で、 ワークショップ形式で行われるまちづくりは、 行政や大学などの研究機関が主体となることが多い。 しかし今回の主催者は、 純粋に「‘まち’を楽しもう」と集まった、 カネもケンイもない20〜30代の、 アーティスト・建築家・まちづくりコンサルタント・学生だったのである。
25ヶ寺の一つ、 應典院の全面的な協力を得て生まれたこの企画は、 「こんなことやってみーへん?」という軽い気持ちで始まったのだが、 我々主催者側には「地域住民ではない専門家として、 固有の場所にどのように関わっていくべきか」という問題を投げかけた。 そしてこの取り組みは、 スタッフそれぞれが自分の専門性と照らし合わせ、 おのおのの答えを見つけようとする活動に変わっていった。
地域の人びとの、 直接あるいは間接の支援を得て、 このワークショップは成功した。 我々は、 「住民ではなくても、 都市の構成員として個人で参加できるワークショップを目指し、 子どもから老人まで、 幅広い人びとにこの地域の良さを知ってもらえればいい」という仮定的な答えを見つけていたのだが、 多くの人々の参加は、 思いがけずもその答えを裏付けてくれた。 この出来事は、 大阪という大都市の一端を構成する、 この地域によって媒介された、 専門家と地域住民のコラボレーションだったのではないだろうか。
ワークショップのプログラムは、 右の9つのシーンから構成された。 この一連のシーンが生み出した作品「四次元マップ」は、 イベント(寺町ミュージアム・人形芝居フェスティバル)に合わせて展示され、 併せて活動風景の上映も行われた。
DAN計画研究所 澤村朋子
都市を創るこどもたち
まちづくりワークショップの可能性寺町アート・ワークショップ
大阪市天王寺区下寺町・夕陽丘町
PROGRAM1。 てらまち探検隊
PROGRAM2。 てらまち工作隊
PROGRAM2。 てらまち工作隊(続き)
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