参加型都市環境デザインをさぐる
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都市環境計画研究所 長谷川弘直/小林和子

450人の子供達がつくる「夢の公園」

「夢の公園をつくろう!計画」ワークショップ
大津市

 

◎「夢の公園をつくろう!計画」のテーマ

改行マーク「3学年・450人の児童が参加」「授業時間に組み込んで開催」というのは、 このワークショップの特徴であったが、 これ故に単なるイベントワークショップとするのではなく、 「合意の階段」を一段でも多く子供たちと登りたいと私達は考えていた。 一方で合意形成だけが目的というのでもなく、 都市の住人でありながら、 なかなか計画に参加できないでいる子供たちの「計画」に対するワクワク感を大切にしながら、 新しいまちと子供たちの出会いの場となるワークショップとして進行させていこうと考えた。


◎「夢の公園をつくろう!計画」がもたらしたもの

改行マーク3回目のワークショップでこどもたちといっしょに現地調査を行ったところ、 多くの子供たちが街区公園標準的面積(約2600m)の敷地を見て「小さい」と言う。 感想はこうだ―「公園からぼくたちの学校が見えた。 公園にはすごく高い鉄塔があった。 こんなに小さくてもぼくらの公園だからうれしいな。 」―小さいながらも「ぼくらの公園」と子供たちは実感し、 ここにワークショップ開催の目的がひとつ達成された。

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第3回ワークショップ「夢の公園を探検しよう」(現地調査) 第4回ワークショップ「夢の公園の計画図をつくろう!」 「夢の公園」竣工。 2階建てブランコ等子供デザインの遊具が連なる。
 

改行マークこの現地調査ワークショップの後に子供たちが完成させた48枚の「夢の公園計画図」は、 説得力のある図面として関係者を巻き込む。 一例としては、 街区公園ながら「ハート形の池」という小さな池が実現した事などであるが、 その他にも様々な形で説得力を発揮し、 夢の公園竣工へと至った。

改行マークところで、 一連のワークショップに参加した子供たちは最後にどのような感想をもったのであろうか。 工事参加ワークショップで手づくりレンガをつくった子供の感想を紹介すると―「ぼくの手形が公園にあると思うと今からでもワクワクしてくるから不思議だ。 」― もし、 つくるプロセスをクローズしていたら、 この街区公園は、 この様に思い入れのある場所とはならなかったであろう。


◆「夢の公園をつくろう!計画」ワークショップの概要

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