「なかよしランド」は面積約 550m2の東西に細長い広場で、 まちづくりスポット創生事業の適用第1号である。 この事業は、 被災地に残る空地を神戸市が3年を限度に借り上げ、 まちづくり協議会等に無償で貸し付け、 コミュニティ活動や防災活動の拠点となる広場の整備と管理を支援するもので、 整備費(300万円が上限)と管理費(年間5万円が上限)が助成される。
1997年12月、 灘中央地区まちづくり協議会は全体会議で「まちづくりスポット創生事業」に取り組むことを決定し、 候補地の選定に取りかかった。 各委員から計13カ所の候補地情報が寄せられ、 所有者の意向等の情報収集にあたった結果、 98年3月、 中井病院の中井氏に快諾していただき、 候補地が決定したことで、 事業実施に拍車がかかった。
なかよしランドは面積が広く、 限られた整備費のなかで、 魅力ある"まち"のスポットをつくる工夫の一つとして、 道路沿いに木柵と花壇を設けている。
それを皆で汗を流して木槌を振り下ろし、 煉瓦を積み上げて作ったことが、 鍵の開閉や散水、 花植え等その後の管理がうまく行われていることにつながっている。 また、 協議会を中心に、 選定から計画、 実際の広場づくり、 そして管理を行っていることは、 地域住民自らが"まち"をつくるという意味で評価される。
ただ、 完成から1年が過ぎ、 幼稚園の運動会やバザー等には利用されているが、 ふだんはあまり利用されていないため、 協議会ではもう一工夫を模索している。 本当の意味での"まちづくりスポット"になるかはもうしばらく見守る必要がある。
コー・プラン 小林郁雄/上山卓
まちづくり協議会による用地探し〜管理運営
なかよしランド(まちづくりスポット創生事業)
神戸市灘区中央地区地域の情報は地域の人が最もよく知っている
木柵と花壇をつくっている様子
幼稚園の運動会風景(手前に見えるのが皆でつくった木柵と花壇)
まちづくりスポット創生事業のしくみ
周辺住民をいかにくどくかが重要
そこで、 協議会では、 候補地の周辺住民への広場整備に対する協力依頼に1軒ずつまわり、 何とか承諾を得ることができたが、 このことも、 この事業を実施するにあたって一つのポイントとなった。計画づくりから実際の広場づくりまで、 手作りで
同年6月には子供、 近隣住民、 土地所有者等によるワークショップを開き、 名称を「なかよしランド」に決定し、 整備内容や利用方法等を話し合った。 そして、 8月に工事にはいり、 9月26日、 なかよしランドは完成し、 オープン祭りが盛大に行われた。
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