湾岸道路に隔てられた、 埋立地の中の都市公園。
ここにトンボの池を作ろうと声を上げたのは「こだわり」を持った市民の集まり(市民の森に自然生態園をつくる会)であった。
その「こだわり」とは次の4点である。
(2)池底は粘土貼り(ビニールシートを使わない)
(3)施工は人力のみ(機械を使わない伝統工法)
(4)材料は地域自然素材(粘土、 間伐材、 草木、 石)
行政は年間50万円程度の財政支援と場所提供、 企業は粘土、 石、 間伐材、 ビールケースなどの資材提供を行った。
ビールケースを埋めて雨水貯留タンクとし、 砕石や水生植物で浄化するシステムで100m2程のトンボの池がつくられた。
さらに掘った土を積み上げて「ドングリの森」をつくった。 ここには子供たちが自宅でドングリから育てた苗を植えた。
以上の作業は、 すべて人力で行われ、 2年の間に延べ1000人のボランティアが参加し、 今も作り続けられている。
今後は、 市内のバッタの生息地をみんなで観察し、 バッタのすみやすい原っぱを復元する計画もある。
なお、 2000年8月には、 ここを舞台に「全国トンボ市民サミット貝塚大会」が開催される予定である。
ランドデザイン 中村伸之
つくり続けられる『生命の池』
こだわりの「トンボの池」づくり
大阪府貝塚市
(1)水源は雨水のみ(水道水を使わない貯留方式)
そして「自然にやさしく」「みんなで楽しく」を合い言葉に、 計画・設計・施工を「つくる会」を中心とした市民サイドが行った。
伝統的土木工法を再現して行われた池底の粘土貼りや石済み作業
完成したトンボの池 1998.09(写真提供 白木茂氏)
計画・施工・トンボがやってくるまでの課程は、 トンボサミット神戸大会で、 劇にされて上演された。
まとめ:
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