参加型都市環境デザインをさぐる
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エイライン 横山あおい

勝手花壇―神戸市の街路調査―

神戸市管理の須磨区街路
神戸市

 

改行マーク神戸市が管理する街路において、 街路調査の対象に“勝手花壇”という項目が含まれている。

改行マークこれは、 管理街路の植栽ますや、 植樹帯を、 近くに住む人が、 勝手に花壇にしているものに対して、 その状況(ある、 なし)を調査するという内容のものである。

改行マーク“勝手花壇”この言葉の捉え方も微妙な響きがある。 つまり勝手に花壇にしている。 (それはいけない)という捕らえ方もあれば、 関西流に(勝手にしーや)という捕らえ方もできる。

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(1)須磨区白川台の神戸市管理道路 (2)須磨区白川台の神戸市管理道路 (3) 須磨区落合の神戸市管理道路
 

改行マークこの勝手花壇というものは、 もちろん地域の人(その近所の人というべきかもしれない)がお金を出し、 この場所を管理をしている。 このことは、 地域の人が、 まちの風景づくりや、 公共空間に参加しているということもできるのではないだろうか。

改行マーク始まりは、 自分の家の前をきれいにするというところから始まっているのかもしれないが、 自ら、 お金を出し、 花を買いそれを管理している。 なかには、 ねぎやら、 トマトやらと、 家庭菜園になっているところも見られるが、 視点を変えればこれも人間の作る景色であると考えられる。 特に生活道路となっている街路において、 勝手花壇は、 “人間が住んでいるんだなー”ということを感じられる心地よい空間を作り出しているようにも思える。 自分たちの住んでいるところを住みやすくする。 居心地よい空間にする。 その手近なことが勝手花壇を作ることみたいなものであるといえるのではないだろうか。

改行マーク与えられた住民参加というよりも、 個人レベルから始まる、 自由であるというところからの住民参加の意識や、 行動が育つと街がもっと自分たちのものになるように思える。

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