都市基盤整備公団 千葉桂司
参加企業によるプロムナードづくり
公開空地の連鎖がつくりだす歩行者空間
大阪市
平面プラン |
連続して繋がれた公開空地 |
公開空地は、 えてして敷地の廻りに空地を単に採っただけで、 街並みとか景観に寄与してないシロモノが多い中で、 例え任意であっても街路側に連続して繋いでいく手法は大いに評価されるべきであろう。
この手法上の欠点は、 任意の参加によるため敷地所有者の理解がなければ連続的に作り出せないこと、 そして街路沿いの建物が更新される時間がそろわないこと、 従って時間がかかるし、 きれいに繋がるかどうかの保証がないことである。 加えて、 歴史的な価値ある風景を作り出している建物が引っかかる時、 それを移築等できるスベがないといったこともある。 しかし、 一部のストリートでは写真や図に見るように豊かな緑と幅広の歩行者空間が生み出され、 質の高いデザインのしつらえが施されたプロムナードが出来上がっており、 若いOL達の明るく賑やかな声が街に響いている。
これまで「計画」とは、 将来的な予定調和の目標を想定した上で、 それを実現化するプロセスを担保しようとしたものであるが、 この事例にみられるように参加による仕組みとデザインが一定のベクトルを持てば、 それは計画に勝る空間を生み出せる事を証明している。 「計画」が必ずしも時代にあった好ましい街を作り出すとはいえない今日、 時間がかかるにしろ、 全体が計画どおりにいかないにしろ、 まちづくりの中で市民や企業あるいはNPO等による参加型のデザイン手法は、 その地域に住み働く人たちに街への目を開かせ、 地域への愛着と理解を育むことに繋がるだろう。