去年私が訪ねたヘルシンキでは、 火力発電所が街の横にあって、 街の地域暖房を火力発電所の排熱で賄っていました。 ほとんどただに近い値段です。 発電所は熱エネルギーのロスが大きいため、 それを利用すると家庭の暖房によるCO2の排出がずいぶん減らせるというわけです。 ヨーロッパではそういう試みが多くなされています。
火力発電だけではなく、 工場などいろいろな所で熱のロスが出ます。 日本でもコージェネレーションといって、 電気を取り出して販売するといった試みが始まっています。 そういう意味では、 地域冷暖房などは特に都市計画の大きな課題ではないかと思います。
さらに工場地帯を遠くに離してつくると、 そこで発生した熱を電気に変えない限り持って来ることができません。 また電気にしても遠くにいくほど抵抗によるロスが増えてしまいます。 ですから、 工場地帯をゾーニングで遠くに持っていくという従来の考え方には、 環境共生を考えると疑問があるのではないかと思います。
家庭でのCO2排出量
家庭でのCO2の排出というと、 我々はすぐ冷房のことを考えがちなのですが、 数字を見ますと冷房はCO2排出量のうちの約2%にすぎません。 それに対して暖房は24%、 厨房が6%、 照明・動力が40%、 給湯が28%です。 このなかで増えているのは照明・動力です。
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ