その間、 壊しては造り、 造っては壊しということをやりながらも、 我々はそれなりに壮大な都市をつくってきました。 それはひたすら都市を拡大してきた時代だったと思います。 それは『都市化の時代』『都市化の40年』です。
そうやってつくりあげてきた我々の都市を、 これからは維持し、 利用し、 あるいは活用していく時代になりました。 これは『都市化の時代』に対して、 本格的な『都市の時代』です。
Session 2では、 この『都市化の時代』から『都市の時代』への変化を、 フロー型都市からストック型都市への変化と捉え、 議論してみたいと思います。
今は社会の大きな転換点です。 我々は、 いろんな立場で都市の仕事をしています。 そういう都市デザインの世界にいる我々にとって、 都市がどう変わるのか、 どっちの方向に動いているかをつかむことは、 非常に大切であると思います。
そこで、 ストック型都市について、 二つの点から考えてみようと思います。
これについては、 関西学院大学の加藤晃規先生と京都大学の小林正美先生に、 それぞれ建築と都市の立場から語っていただきます。
次にやや視点を変えて、 都市問題経営研究所の藤田邦昭先生にお願いします。 私は『都市のマーケットストック』と勝手に呼んでいますが、 藤田先生は今までの都市の商業ストックやいろんな経済活動のストックの活用に主眼をおくべきだと主張されています。 そこでフィジカルな立場と経営的な立場で、 ストックのこれからを考えていただきます。
また山崎先生も問題提起で指摘されましたが、 今ある都市をそのままストックとみなせるのかどうかが問題です。 むしろ新しくストック型都市につくり替えなければ駄目なんじゃないかという議論です。 それに対して、 造っては壊しの40年をまた繰り返すのかという疑問もあります
Session 2
フロー型都市とストック型都市京都造形芸術大学 井口勝文
『都市化の時代』から『都市の時代』へ
世間には55年体制という言い方もありますが、 我々も1955年という年号をよく口にします。 その時から高度経済成長が始まって、 都市をつくってきました。 我々が現在住んでいるまちは、 長く見てもほぼ40年間でつくりあげてきたと言われています。ストック型都市の在り方
一つ目は「そもそもストック型都市とはなんだろう」ということです。 どういうものであるのか、 あるいはどうあるべきなのか、 ストック型都市の在り方を検証してみます。ストック型は環境共生型か
二つ目は「ストック型都市は本当に環境共生型都市なのか」ということです。 多分環境共生型だろうとみんなが思っていますが、 はっきり見極めなければなりません。
これについて自然環境とエコロジー、 共生、 自然環境と都市を専門とされている大阪大学の後藤忍先生に実証的な立場からお話しいただきます。
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ