環境共生型都市デザインの世界
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地形がつくる近畿圏の文化

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図11 近畿圏の地形(大地形のモデル)
出典:近畿地方建設局「近畿地方の水土グランドデザインとギャラクシープラン」
 図11は近畿地方建設局で淀川のプランを立てたときの図です。 六甲山系から北摂山系にいたる緑の屏風、 生駒金剛から葛城山系にいたる屏風、 背景になっている大和高原から大台山系にいたる屏風という大きな構造を表しています。 多分これが、 関西圏域のクラスター型の構造を決定付けているのだと思います。

 この地形を頭において歴史を振り返ってみると、 図10に見られるように流域あるいは水系は文化圏を形成していたことが分かります。 淀川文化軸があって、 三十石船が出て京都に行っていたとか、 竹ノ内街道があって大和川から奈良につながる文化圏があったということです。

 また「学生時代は京都で過ごして、 淀屋橋近辺で勤め、 阪神間で住むのが関西のサラリーマンの理想像」という笑い話がありました。 これは各々に、 学園街としての京都の特質、 業務の中心としての大阪の特質、 南面する海と背景になっている六甲山系を持つ居住環境としての神戸の意味が、 比喩的に語られた話だと思います。

 「環境共生にふさわしい都市の構造や都市の規模は」という堀口さんからの一点目の課題に対しては、 地形や水系とともに、 こうした文化も一緒に考えてゆきたいと私は考えています。

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