環境共生型都市デザインの世界
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満足水準で考える都市の適正規模

 適正という時のもう一つの意味は、 満足、 満足化という考え方です。 ある事柄について適正な水準を設定し、 それを満足できるかどうかで適正規模かどうかを判断する考え方があるだろうと思います。

 たとえば都市規模が大きくなると通勤時間が長くなり、 混雑もひどくなります。 あるいは新幹線通勤までやることになります。 飯を食うために心身をすり減らしてしまうのです。 そうなると快適環境としてはもちろん生存環境としても問題があるわけですから、 通勤時間とか混雑度に関して一定の満足水準を設定できる可能性があります。

 そこから適正な都市規模が出てくる可能性があると思います。 ただし、 やはり都市構造の問題が障害になります。 仮に都心居住が進んで、 職住のバランスがとれるようになれば、 通勤事情に変化が起こるので、 状況は緩和に向かうでしょう。 東京にしても大阪にしても、 パリとかミューヨークに比べて都心居住がきわめて少ないのが問題なのであって、 規模で一概に語れないのではないかということです。 言い換えれば、 規模よ
りも都市構造の問題だとも考えられます。

 要するに満足水準をどう設定し、 それに対してどう対応していくか、 適応していくか、 その適否によって適正規模が違ってくるので、 これもなかなか難しく、 簡単に適正規模を云々することができません。

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