環境共生型都市デザインの世界
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環境域とは

 まず環境域という考え方と、 大阪の都市圏が世界的に見てどういう特殊な環境特性を持っているかをお話ししたいと思います。

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図 「自律環境都市」の概念
 図は、 都市活動のかたまりが周辺の環境に影響を与え、 さらにその外側の地球環境にも影響を与えていることを示しています。 都市を取り巻く環境域という考え方をつくって、 その中でゼロエミッションにする、 外に影響を出さない、 中で循環させて解決するという考え方が一番大事だと思います。 その一つのモデルが、 琵琶湖を中心とする滋賀県の取り組みではないかとかねがね思っています。

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図1 滋賀県の姿
 滋賀県は近畿圏の水を確保するために、 高度成長期の1972年からつい2〜3年前までの25年間、 琵琶湖総合開発法によりダムを造って洪水調節をし、 湖岸を堤防で固めていました。 それはある意味で環境に反することでもあったわけです。 その後、 滋賀県は琵琶湖の水質をいかにクリアにするかを政策課題として、 いろんな条例を作ります。 その中には、 ミズスマシ条例とか富栄養化防止のための条例など、 いくつもの独特の環境政策があります。 特に、 ふるさと滋賀県の風景を守る条例、 通称風景条例はおもしろいと思っています。

 この条例は、 集落単位でふるさと景観形成地域をつくって昔の風景に戻すというものです。 しかしそれは建前で、 実際には集落の水路や集落が管理している農地の水路を集落単位できれいにすることを狙っています。 自分の集落を一つの環境域と捉え、 汚れた水を外に出さない、 それが結果的に琵琶湖の水質を改善するという構造になっています。

 琵琶湖周辺は都市化が遅れ、 下水道も遅れています。 農業地帯での農家の汚水処理の問題に対しては、 合併浄化槽で浄化するといった努力がなされています。 集落単位でも考えるけれども、 町村区単位でも琵琶湖の水質を悪化させないように取り組んでいます。 甲良町、 高月町などたくさんの町村がありますが、 それぞれでやり始めています。

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