榊原先生は共生の概念のなかで、 これからは「共和的共生と共存的共生」を考えるしかないというお話をされました。 これは「そもそも環境共生とは何か」という議論のなかの重要な要素ですが、 共和的共生という目新しい言葉がありましたので、 それについてもう少しお願いします。
榊原:
共和という言葉ですが、 私自身、 あまり難しいことを考えて言っているわけではないので、 字義通りにとっていただければよいのですが。
共生というのは何かと何かの関係です。 その関係のあり方が三段階あるということです。 その内、 共存というのは「相互不可侵で、 無関係にお互いやっていきましょう」という関係であり、 シムバイオシスとしての共生は「べったりくっついて、 密接な関係を保ってやっていきましょう」というものです。 その間にある、 付かず離れずというか、 調和しながらというものが共和です。 その程度のことで言っています。
それで、 ご質問では「共和的共生と共存的共生」を考えるしかないということを私が言ったとおっしゃってますが、 それは、 はじめに言った相互依存的・寄生的なレベルにおける共生、 本来の意味での生物共生的な共生関係というのは、 人と自然の関係ということでは、 現在ではあまりないということで申し上げたことです。 しかし、 たとえば、 私が「環境の諸相と相互関係」という図で示した地球環境に対する人間のあり方は寄生的な関係でしかないわけで、 そういうことについては、十分に考える必要があると思います。
共和的共生とは
堀口:
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