環境共生型都市デザインの世界
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満足化

堀口

 榊原先生は満足化の話をされましたが、 最適化は比較的分かりやすく、 エネルギー消費が一番少なくなるバランスが最適化だと定義付けられます。 満足化はちょっとよくわかりません。 メンタルな要素などの、 かなり定量化しにくい要素も含めて満足化と言っておられるのでしょうか。 そうするとどうやって測っていくのでしょうか。

榊原

 満足化というのは、 単に、 設定した基準を満たすかどうかという意味です。 最適化がある評価基準を設定してそれが最大になるようにするのに対し、 設定した数値を満たすかどうかにすぎません。

 そのような二通りのやり方があると思います。 そして、 適正規模というのは、 そのいずれかから出てくるはずです。 しかし、 現実に適正規模を見出すのは難しい、 特に、 評価基準による最適化という形での適正規模は見出しがたいと思います。

 むしろ堀口さんにお聞きしたいんですが、 そのようなかたちでの、 都市容量なり都市規模に関して何か仕事をされていないのでしょうか。

堀口

 都市の容量を数値化する概念は、 とりあえず廃棄物の量やエネルギー消費量、 交通量などといったいろいろな指標で計れるという段階です。

 今日的テーマで言えば、 容積率を移転することになると途端に環境容量の概念が出てくるため、 常にインフラ、 都市部だと道路、 下水道、 エネルギー関係が土地利用フレームに対して充分かどうかが問題となります。 それ以外には教育施設などがチェックされるべき項目です。

 最低限の生活あるいは企業活動を維持するのに必要な要素を何で計るかは、 現実にはこのような四つか五つの指標でのチェックしかしていません。 それでも、 ネガティブなチェックは行えているとは言えます。

 私が、 満足化という言葉に引っかかったのは、 緑が多いとか、 空気がいいとか、 静かであるとか、 そういうプラス側の指標で、 都市部における土地利用の容量を規定するには、 まだ技術が達していない。 そういう状況ではないかと思ったからです。

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