環境共生型都市デザインの世界
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アクロポリスとアゴラ

加藤

 このお話をいただいたとき、 井口さんからストックとフローについて考えてこいと宿題をいただきました。 このテーマで最初に思いついたことは、 昨今の政治問題が財政再建か景気浮揚かになっていることに照らしてみると、 ここでは財政再建にあたることがストックづくりであり、 当面の課題である景気浮揚がフロー型の都市づくりということになるのかなという点です。 そのようなことを冊子(p. 90〜91)に書いているのですが、 歴史の中の都市で、 まず財政再建的なことをやってきた都市とはどういうフェイズにあったかを見てみたいと思います。

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図1 アテネのアクロポリス
 図1はアテネのアクロポリスです。 このような都市の共同体のシンボルをアーバンレベルで作り上げたところが、 都市の都市たる所以であり、 農村共同体と違うところです。 現在のアテネは、 古代の都市ストックで食べているのです。

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図2 アテネのアゴラ
 アクロポリスと対照的なのがアゴラで、 市場とか演劇が展開したエリアです。 アメリカの大学が発掘調査をして、 その後埋め戻したので今は公園のような緑地になっているのですが、 極端に言えば昔のものは何も残っていません。 ここはフロー型である街の姿の原点だろうと思います。

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