環境共生型都市デザインの世界
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もっと文化として環境をとらえたい

司会

 今日は遠くから参加していただいている方も多くいらっしゃいますので、 できるだけ関西以外の方からのご発言をしていただきたいと思っています。

 今の小林さんの発言を受けますと、 我々はまだまだストックを語るべき文化レベルに達していないということですが、 そういっていると話は先に進みませんので、 ここで加藤さんにストックについて語っていただこうかと思います。

加藤源

 そう深く考えているわけではないのですが、 文明と文化の違いについて考えていたところです。 文明は、 機械文明という言葉に代表されるように利便性を求めて技術革新をしていくことで豊かな生活を得られるようにすること。 それに対して文化は、 豊かな生活の結果もたらされるものも含め、 生活の内容や習慣から出てくるもの。 そう考えると、 今日のお話への感想風に申し上げると、 ストック型都市とフロー型都市という言葉から受ける第一印象は、 極めてハード的な環境としてとらえがちだということです。 それが環境共生に結びつくかどうかという議論は極めて難しいんじゃないでしょうか。

 みなさんのお話をうかがっていて共通していると思ったのは、 ハード的な問題ではなくもっとソフトな面でのストックに着目しておられることです。 例えば、 サブカルチャーという言葉、 それにマーケットストック、 共同体、 アーバンコミュニティ、 コレクティブハウジングという言葉まで出てきました。 そうした存在がサステイナブルな都市や環境共生への切り口として有効ではないかと私も思います。

 日本風の家屋に住むのは、 我々の文化なんです。 それがいつの間にか、 洋風の家屋に住んで、 障子も畳もなくしていますが、 それは多分に環境共生に対してはアンチな状況ではないでしょうか。 もっと文化として環境をとらえることで、 環境共生へ転化していく切り口が見いだせるのではないか。 そんな風に思いながら聞いていました。

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