環境共生型都市デザインの世界
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人と自然とのかかわりを形にする

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写真26 カナダの調整池
 今からお見せする写真は、 直接的な自然の表現というあり方とともに、 人と自然との関わりのありかを形に表現していくことによって、 もう一度われわれが自然そのものを見直すきっかけをつくれるのではないかというストーリーでまとめたものです。

 写真26はカナダの調整池のデザインです。

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写真27 水そのものの存在感を感じさせる
 この調整池ではロックガーデンのように積み上げた石の表面に、 徐々に生物が巣くってきます。 そして苔が生え、 いずれ緑の壁になっていくでしょう。 水そのものが単に存在するというだけでなく、 水が表現する何かを視覚的に形態としてつくりあげていくことで、 調整池という機能がもっている水そのものの存在感が別の形で表現されています。

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写真28 桜
 われわれ日本人も、 そういう自然存在そのものに対する美意識を過去から学んできましたし、 その文化を培ってきました。 桜の木の花は1年にほんの1週間しか咲きませんが、 その花が散ってゆく美しさをわれわれは脳裏に刻み込みながら、 桜の文化をたくさんつくってきました。

 これまでの話を通じて、 技術やシステム論からだけで環境共生を語るということにはならないことが判っていただけたかと思います。 そこで、 わたしは自然と共に生活する空間をデザインするのであれば、 「気配」としての自然、 そして「関わり」としての自然に着目することが必要ではないかと思うのです。

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写真29 北海道にある4kmの桜並木
 写真29は北海道のあるまちの約4kmにわたる桜並木です。 実はここは、 松林の間に桜を植えることによって、 単なる防風林からレクリエーション道路に生まれ変わったものです。 4月になると数万の人が必ずここに集まってきます。 松と桜の並木道の自然変容がそのまちの文化をつくった一例です。

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写真30 隅田川の桜
 そのようなことは隅田川の桜にも言えます。

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写真31 那覇の道路
 写真31は那覇の道路ですが、 歩道の周辺に緑を敷き詰めながら季節感を感じさせる道になっています。

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写真32 地面のままの道路
 もっと大胆なものとして、 歩道に石を張らずに、 土だけの道をつくった住宅地もあります。 ここには、 私たちが忘れ去っている土の感触があります。 この道を歩いてみると、 住宅内部の庭とこの歩道の土とが植物によってつながっているように思え、 豊かな大地の広がりを感じます。

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