問題提起
まちづくり都市計画の可能性
兵庫県都市計画課 難波 健
人間サイズのまちづくりパンフレット |
兵庫県は99年3月にまちづくり基本条例をつくりました。 その内容が、 パンフレット『人間サイズのまちづくり』に書かれています。
要約すると「安全なまちづくり」「安心なまちづくり」「魅力あるまちづくり」という3つのテーマになります。
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これと都市計画をどのようにつなげていくかについて、 平成12年度に従来の法定都市計画を担当していた都市計画課が作業したことを『兵庫県におけるまちづくり都市計画の検討について』という資料でまとめました。 従来のままでは法定都市計画が「人間サイズのまちづくり」と馴染まないないんじゃないかと我々も思っていました。 そこで、 逆に都市計画の中でまちづくりをどう扱っていけるかについて少し真面目に議論してみようか、 ということでまとめたものです。
ここでは都市圏サイズのまちづくりと人間サイズのまちづくりの対比をしています。 県が市町に権限を委譲した後で何をしていくのかも考えなければいけません。
資料目次 |
次にI章(3)節「まちづくりと都市計画の枠組み」で従来の都市計画を若干説明してます。 都市計画は建設省が所轄し、 古い歴史とカッチリした体系を持っていますが、 逆に堅すぎる面もあるということです。 それに対してフニャフニャした柔軟性のあるまちづくりは、 今までの都市計画のノウハウをうまく活かすやり方をするべきだと考えています。
2001年から行政改革で建設省も国土交通省になるという背景があり、 今まで県の都市計画審議会にかけなくてはならなかった市町の都市計画決定が県の同意がいるとはいうものの、 市町独自でやっていけるように都市計画法が改正されます。 県が従来やっていた都市計画の枠が非常に小さくなって、 市町に権限が委譲される時期なのです。 その辺について、 I章(4)節「「まちづくり都市計画標準(案)」作成作業イメージ」、 (5)節「まちづくり都市計画標準の必要性」で若干ふれています。
II 検討の経過と成果
これから市町に対してどういった都市計画の技術を伝えていくかも大きな問題です。 都市計画課自体は従来の法定都市計画をしていればいいので特に困らないのですが、 マニュアルを作るのではなく課員全員で考えていくスタイルを取らなきゃいけないということで、 II章「検討の経過と成果」のように検討しました。
ケーススタディの概要(対象とする施設のカテゴリー、 回答者の係・属性、 ケーススタディの地区) |
「14.供給処理」と「15.河川」はこのケーススタディに選んだHAT神戸、 三田フラワータウン、 赤穂市有年の3地区に入っていなかったので、 後から追加しました。
「回答者の係・属性」はそれぞれの担当を示しています。 先ほどのまちづくり基本条例で定めた9個の言葉と、 各施設について考えられることや、 従来の都市計画の手法を敷衍して身近な都市計画や身近なまちづくりについて考えられること、 それぞれどう関係しているかをマトリックスにしました。
表1(a) 公共空地 |
表1(b) 学校教育 |
次のIII章「いままでの都市計画とまちづくり都市計画」については後で小松原君の方から細かい内容をお話しします。
先ほどふれたように、 現在都市計画中央審議会でこれからの都市計画についての答申を出しており、 来年また都市計画法が改正されます。 その内容については次に佐藤室長から説明していただきます。
法定都市計画はまちづくりの中でどういう具合に機能していくのか、 市町にどんどん権限が委譲される中で県は何をしていけばいいのか、 県が市町に継承する都市計画技術はあるのかどうか、 その枠組みを我々も検討しているのです。 これについてもご意見いただければと思います。
普通市町が住民にインターフェイスするのですが、 県は住民と接しなくていいのかというあたりも、 個人的には非常に大きな問題ではないかと思っています(III章(2)節「具体論として」、 (3)節「今後の「まちづくり都市計画の進め方」について」参照)。
以上のように、 我々の悩んでいるところをお話をしました。
参考URL(いずれも兵庫県の公式ページ)
・1 まちづくり基本条例の基本的な考え方
・2 まちづくり基本条例(全文)
・まちづくり基本方針の趣旨・目的