都市環境デザインを目指す若者集まれ
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一石三鳥の緑の環境創り

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高速道路と30mのグリーンによるバッファー
改行マークこれも緑の環境がいかに“お金”(社会資本)になるかの例です。 シンガポールの大動脈にあたる高速道路なのですが、 その道路脇に30m幅の緑がバッファーとして植えられています。 これを見た多くの日本からの訪問者からは「なんでこんなに贅沢なことをするんだ」とよく言われたのですが、 これには明確な計画上の理由があるのです。

改行マークグリーンバッファーを30m設えることで、 まず道路の将来への拡幅用地が確保されているということ。 それに道路のすぐ傍のマンションにとっては緩衝地帯となっています。 このマンションは極めて高い家賃を取る高級マンションですが、 グリーンバッファーがなければ道路騒音公害が起きていたことでしょう。 緑環境を整えることで、 高い家賃のとれる、 それほど良質の土地としての付加価値を生んだのです。 この緑により将来の用地、 公害の解消、 土地の付加価値と一石三鳥の効果があるわけです。

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幹線道路とバス停
改行マークそれにしても独立早々の決して経済状態の確立してなかったシンガポールが、 なぜガーデンシティ構想を持つに至ったかですが、 決して夢の構想だったわけではなく、 そうする必要があったからです。 ある意味ではこの国の唯一の資源は人間です。 国民の生活環境を整備することは国の目標であると同時に、 生き生きとした生活は、 明日の労働意欲を生みます。 環境を良くすることが労働力を活性化し国力となるのです。 ガーデンシティ構想は生活環境の整備とともに、 国としての労働意欲の活性化を生むのです。

改行マークまたシンガポールの学校の校庭は草地にしています。 ゴルフ場のような純粋な芝生ではありません。 ですからいろんな草が共生し合っています。 イギリスの教育・科学省でも学校の校庭を自然科学の教室にしようと緑化を進めていますが、 シンガポールでは早くからそれを取り入れていたのです。 子供達の重要な生活環境としての学校のガーデンシティー化です。

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