都市環境デザインを目指す若者集まれ
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まちづくりの実際
〜豊中駅前まちづくりの場合

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図9 大阪府豊中市の駅前まちづくり協議会/主要な行政課題
改行マークこれは、 大阪府豊中市の駅前まちづくり協議会の仕事です。

改行マークまちの課題として、 都市機能面からは商店・住宅の老朽化、 都市基盤面からは道路や公園の問題、 防災面からはオープンスペースや避難路などを取り上げて課題設定をしました。 その課題に合わせ「対応の方向」を考えましたが、 これが先程述べたビジョン作りです。

改行マークその後「検討すべきテーマ・方法」をあげていますが、 これが実現するための課題設定にあたります。 ここでは、 行政がすべき課題と地域住民がすべき課題に分けて提案しました。 住民のみなさんも自分たちでまちづくりを進めようという方向で話を進めています。

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図10 アンケート/商業地としての魅力が低下している理由
改行マーク豊中ではまず住民のみなさんにアンケート調査をしました。 図10がその時のアンケートの回答です。 アンケートをすることによって、 住民自身が何を問題だと考えているかが分かるのですが、 ここでは大半が「駐車場がないから商店に客が来ない」と考えていることが分かります。 後で駐車場の問題ではないことを説明することになるのですが。

改行マーク実は我々がアンケートをするのは、 問題が分からないからアンケートするのではなく、 アンケートに答えた人が何を考えているかを相互理解するために実施するのです。 つまり自己認識していただくためにアンケートを実施しているわけです。

改行マーク大学のアンケートと違うのは、 大学は分からないことを知るためにアンケートをとるのに対して、 ここでは分かっていることを相互理解させるためにアンケートをとるんです。 我々がよく使う手段です。

改行マークこのアンケート結果をもとに、 ワークショップなどで住民同士で話し合ってもらうことになります。

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図11 アンケート/1-C街区を中心にした面的整備の提案について
改行マークもう一つアンケートの例を見てみます。

改行マーク図11「1-C街区を中心にした面的整備の提案」の回答では「自分たちが中心になって事業推進」というのは少数派で、 大多数が「誰かがやるなら私も参加する」という他力本願的な回答ですが、 地域のまちづくりとしては一般的な傾向です。 「その計画を否定はしないけど、 中心になって動きたくない」というのはよくある答えで、 健全な街の適切な回答だと言えるでしょう。

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図12 まちづくりの方針図
改行マークこういう風な手続きをとった上で図12のような「まちづくりの方針図」を提案します。

改行マークそれぞれの街区で問題点を示し、 例えば「この道路は拡幅した方がいいけれど、 そうしたら土地が戻らなくなる」などをあげて、 まちづくりの基本的な問題点を図にします。 そうして問題点をみんなの共通認識にしていきます。

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図13 施設計画にあたっての課題
改行マークそれを整理して次のステップにいったのが、 図13です。 問題点をさらに象徴化して、 例えば街区を再開発して、 駅前に歩行者の動線を確保するために小さな広場を作るなどモデル化するのです。 モデル化して、 詳細な検討に入ります。

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図14 道路検討案(A案)
改行マーク図14の案は再開発としては大胆な発想です。 今の敷地形状を大胆に見直して、 街区として再結合し、 市道を廃止して再開発の敷地にしています。

改行マークこういうことを段階を追って説明しながら理解してもらいます。

改行マーク以上、 まちづくりの現場の実際を見ていただきましたので、 最後にどうすればコンサルタントになれるかをお話ししたいと思います。

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