まちづくりの実際〜豊中駅前まちづくりの場合
まちの課題として、 都市機能面からは商店・住宅の老朽化、 都市基盤面からは道路や公園の問題、 防災面からはオープンスペースや避難路などを取り上げて課題設定をしました。 その課題に合わせ「対応の方向」を考えましたが、 これが先程述べたビジョン作りです。
その後「検討すべきテーマ・方法」をあげていますが、 これが実現するための課題設定にあたります。 ここでは、 行政がすべき課題と地域住民がすべき課題に分けて提案しました。 住民のみなさんも自分たちでまちづくりを進めようという方向で話を進めています。
実は我々がアンケートをするのは、 問題が分からないからアンケートするのではなく、 アンケートに答えた人が何を考えているかを相互理解するために実施するのです。 つまり自己認識していただくためにアンケートを実施しているわけです。
大学のアンケートと違うのは、 大学は分からないことを知るためにアンケートをとるのに対して、 ここでは分かっていることを相互理解させるためにアンケートをとるんです。 我々がよく使う手段です。
このアンケート結果をもとに、 ワークショップなどで住民同士で話し合ってもらうことになります。
図11「1-C街区を中心にした面的整備の提案」の回答では「自分たちが中心になって事業推進」というのは少数派で、 大多数が「誰かがやるなら私も参加する」という他力本願的な回答ですが、 地域のまちづくりとしては一般的な傾向です。 「その計画を否定はしないけど、 中心になって動きたくない」というのはよくある答えで、 健全な街の適切な回答だと言えるでしょう。
それぞれの街区で問題点を示し、 例えば「この道路は拡幅した方がいいけれど、 そうしたら土地が戻らなくなる」などをあげて、 まちづくりの基本的な問題点を図にします。 そうして問題点をみんなの共通認識にしていきます。
こういうことを段階を追って説明しながら理解してもらいます。
以上、 まちづくりの現場の実際を見ていただきましたので、 最後にどうすればコンサルタントになれるかをお話ししたいと思います。
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