地域の持続性や持続可能な開発という話が何年か前から出ていますが、 実際にお仕事をされる際にどのような考えで進めていかれるのかお伺いしたいと思います。
堀口:
今、 2つの商店街とおつきあいをさせていただいているのですが、 だいたい商店街振興をやっていますと、 必ずしも物的ではないですし、 地域の営みは毎日続いていくわけですから、 比較的簡単です。
ものをつくる時は、 最近の動向として、 壊れないものをつくるか壊しやすいものをつくるか、 いずれかを必ず要求されます。 だいたい建て替えないことを前提にする。 つまり新たにつくると、 それは壊せない可能性があるということを常に頭に入れないと、 開発ができなくなりつつあるのは事実です。 ですから部分修復型のプロジェクトが多くなり、 スクラップアンドビルドはなかなか出来なくなってきたということです。 それは日々の計画の中では与条件になりつつあります。 ただ、 その時々に最適解を求められますから、 サステナブルでない選択肢も当然もっていて、 次善策は常に用意しておかないと、 それこそ仕事としてサステナブルでなくなってしまうわけです。
真田:
EU(ヨーロッパ連合)の国では環境という面もありますが、 雇用の確保や産業の振興、 あるいは伝統的な町並みの保全とか、 そういう事も含めてサステナブルシティという概念を組み立てています。 都市にたくさん人が集まってくるのは、 楽しい所があるということもあるでしょうが、 仕事があることがまず重要です。
大阪には、 近代化を支えた広大な工場敷地が臨海部を中心にありますが、 これがこれからのまちづくりにとって大きな可能性を持った土地です。 先日も来年の春にオープンするユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営する株式会社ユー・エス・ジェイが職員を募集しましたところ、 2万人を超える応募がありました。 このように、 まちづくりの中で雇用を生み出し、 それによって都市に人が集まり、 生き生きとした生活が営まれることがサステナブルシティとして重要と思っています。
地域の持続性と計画の指向性
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