しかし、 世界全体で見るとこうした取り組みは、 極めて少なく欧州についてもドイツ、 フランス、 イタリア等は独自の方向で進んでいる。
今回の視察『福岡商工会議所欧州視察団2000年2月12日〜20日 川原健副会頭』では、 イタリア(ローマ、 フィレンツェ)スペイン(バルセロナ)フランス(パリ)と、 これまであまり話題にのぼらなかった諸国を巡ることとなったが、 結果的には非常に重要な体験となった。 私自身、 昨年の2月に米国東部のBID (ビジネス・インプルーブメント・ディストリ――我国のTMOのモデル)を原田英生先生(流通経済大学)にご案内して頂き、 11月には関西経済同友会の都市再生委員会(委員長・中村陽三電通副社長)の視察団でイギリス、 ドイツを訪れ、 今回が伊仏西と、 丁度1年間で欧米の中心市街地問題と商業政策の現場を見る機会に恵まれた。 このテーマは知れば知るほど、 多様・多分野であり、 奥の深いものであると実感している。
各国の事情についても、 それぞれ専門家といわれる人はいるが、 国別の比較をされている人はほとんど見当たらない。 そういう意味では私はこの間、 実に貴重な経験をさせてもらったように思う。
今回の視察コーディネーターは私のアレンジではなく、 急な代役として引き受けたものなので、 十分な事前調査もできずにとにかく現地を歩いて考えようというスタイルで、 とりわけ、 ローマやバルセロナの遊歩空間の魅力と路面型独立専門店のパワーは、 次世代の商店街のあり方を予感させるものであったし、 パリのグラン・ブールバール委員会という大通り活性化の取組みなど新しい発見がいくつもあった。
資料
多様な個性発揮で活気づく
欧州ラテン系都市DAN計画研究所 吉野 国夫
はじめに
通称、 中心市街地活性化法に伴う欧米各国の制度をモデルとした国の施策、 とりわけタウンマネジメントに関する米英の制度研究はこの数年間相当深められた。
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