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8 船場で学ぼう(都心学校)
再生のソフトプログラム2

 

 子供の頃、 小学校や中学校では海とか山でキャンプする自然学校という課外学習がありました。 社会見学として工場を見に行った記憶もあります。 どちらかというと海や山という自然か、 工場という少しまちなかから外れたところに行っていましたが、 まちなかにそういう自然学校と反対の体験をできる学校を何とかつくれないか、 というところから発想したのが『都心学校』です。

 大阪市内から大学がどんどん出ていって学生も少なくなっています。 だから子供だけではなく学生をもっと呼び込みたいと思いますし、 大人が本物を学べるような環境をつくりたいとも思います。

 当然、 商業ベースでやっていくことも考えられますが、 商業ベースでは考えにくいところもあります。 そういった中でNPOなどがコミュニティービジネスとしてやっていけないかが、 「船場で学ぼう」の趣旨です。

 具体例を三つあげます。


(1) 学生ビジネスマン&OLのためのいきいき講座

 大阪の活性化が各方面でいろんな形で提案されてますが、 私たちは現役学生と一般社会人の交流の場の創出、 学生や留学生のアルバイトの場の創出、 手軽に本物を学ぶことができる環境づくり、 学校では教わらない社会常識を身につける場、 あるいは民間が主導する働く人のための学びの場づくりなど、 もう少し柔らかいところをつくっていこうと考えました。

 これらのなかには既に試みられていることもありますが、 何も新しいものだけを提案しようということではなく、 今ある動きを加速させ後押しすることも大事だと思います。

 具体例として、 留学生や帰国子女による、 ビジネスマンや海外旅行者のための実践英会話講座、 お気に入りシェフが教えるOLのためのお料理講座、 大学生のためのビジネスマナー講座、 あるいは現役音大生による大人のためのピアノ講座などが考えられます。

 これらは船場の中で、 違うかたちですでに行われていることもあると思いますが、 もっとそういうことをオープンにアピールし、 盛り上げられないかということで提案しています。


(2) クレイマークレイマー
&ワーキングマザー支援活動

 最近、 谷町や上町台地を中心に、 マンションが増えています。 この背景には少子化の進行、 共働き夫婦の増加、 NPOなど新たなコミュニティビジネスへの期待、 都心部での住宅供給量の増加などがあります。 船場の中でも、 いくつかマンションが建設されていますし、 公団はこういう所で積極的に賃貸住宅をつくろうといています。

 こういった都心居住への回帰現象を、 側面から上手く支援できる方法はないかというのが、 この提案の狙いです。 たとえば船場エリアには空き事務所スペースが点在していますし、 廃校になっている教室を利用することも考えられます。

 具体的には、 空き事務所スペースや廃校になった学校の教室を、 船場エリアの準公共空間として活用します。 少し間口を広げて、 域内の居住者だけでなく域内の就労者の方々に対しても子育て支援の場を提供したいと思います。

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図30 小西儀助商店
 たとえば小西儀助商店はきれいに使われていて、 堺筋沿いとは思えないほど静かな空間です。 このような場所を使って子供達を集め、 地域内の住民や就労者の子育て支援の場をコミュニティビジネスとして運営出来ないでしょうか。

 平時は近隣の小学校の小学生を対象にしますが、 長期休暇の場合は、 市内在勤の両親を持つ小学生にも積極的に解放していこうという提案です。


(3) まちなか探検スクール

 これは『都心学校』の元になったアイデアです。

 背景は子育て支援と重なりますが、 それに加えて、 各学校の独自性を活かすためのゆとりの時間が増大しているにも関わらず、 現実には十分に活用できていないということがあげられます。

 またニュータウンにおいて子どもたちが「世間」と隔絶されていることや、 家庭内や近隣で大人と子どもの対話が減っていることも取りざたされています。

 このようなことから、 自然学校に対して都心学校ということでやれないでしょうか。 小学生高学年から中学生を対象とし、 一日体験コースとか一泊二日コースを、 夏休みの平日期間に実施します。 夏休みの平日期間であれば、 ビジネスマンはバリバリ働いています。 そういう大人の姿に触れることが一つの狙いです。

 船場にある事務所やお店で仕事を体験することは普段はできないことなので、 おもしろいと思います。 他にも船場の語り部による船場商いの伝承、 公開空地や駐車場活用による子供の模擬店の開設、 先ほどのミステリーラリーとも関係しますが、 オリエンテーリングでまちなか探検などが考えられます。

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