行ってみたい大阪・船場
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10 「船場のマンションをのぞいてみよう」
再生のソフトプログラム4

 

(1) 調査対象地区

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図38 大阪の都市居住環境調査対象地区
 ここでは都心居住の現状を把握するために、 大阪の中心部のマンション調査の結果を報告します。 調査は研究会のメンバーでもある大阪芸大の田端先生らが、 船場とその周辺の阿波座、 日吉、 四つ橋、 島之内、 南大江の6地区で行いました。 ●が調査を行ったマンションです。

 先ほどもお話ししたように、 大阪の都心部にも徐々にマンションが建ち始めていますが、 実際にはそれらはどのような使われ方をしているのでしょうか。 結果の中から今日は3点ほど紹介します。


(2) 船場のマンションの使われ方

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図39 船場のマンションの使われかた
 まず同じ都心であっても、 船場とその周辺の地域では利用形態に大きな差があります。 船場では集合住宅の半数以上が仕事場として利用されていました。 船場以外の地域では本来の用途である住まいとしての利用が大半です。

 都心の事務所ビルが細かなニーズに対応しきれていないということがありそうです。 言い換えれば、 都心では住宅がビジネスのインキュベータとしての役割も担っているということです。


(3) どんな人たちが生活しているの?

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図40 どんな人たちが生活しているの?
 マンションでの住民像ですが、 仕事場の場合は当然仕事仲間ということになるのですが、 一人での利用も結構多いことが分かりました。

 住宅になると約半数が一人利用になっています。 子供と一緒のファミリーはかなり少なく、 大人家族と一人世帯で約8割を占めています。

 都心になればなるほど、 比較的自由の利く単身者と高齢者が都市の利便性と刺激を享受しているということが言えるでしょう。 彼らがこれからの都心居住を支えていくということも言えると思います。


(4) 都心の生活スタイル

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図41 都心の生活スタイル
 いろんな調査項目の結果から、 五つの生活スタイルが認められました。 それは(1)住まい型、 (2)新住まい型、 (3)職住型、 (4)新職住型、 (5)職場型の五つです。

 住まい型とは、 住まい本来の使い方である住んで寝て、 食事をするというスタイルです。 職住型とはそこで仕事もしているスタイル、 職場型とは仕事のみで住んではいないというスタイルです。 それに対し、 「新」という言葉がついた新住まい型と新職住型は、 住まいとして使いながらも食事は外でとるというスタイルです。

 船場地区は生活スタイルについても周辺地区と大きな差を見せており、 船場は大阪の中でもっとも都心の傾向を示しています。

 また新住まい型・新職住型はマンション内でのつきあいはあまりしませんが、 周辺に多くの行きつけの場所を持っていて、 大阪の良いところも見つけているという特徴も見られました。

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