司会:
最後に平山先生がおっしゃっていた「分裂都市」という言い方について説明していただきたいのですが。
平山:
ニューヨークに関して言えば、 ローカルな部分で自分の街のことは一生懸命やるのですが、 隣の町とは言葉が通じません。 隣とは関係ないという感覚なんです。 ですから新自由主義に対抗する勢力になるかどうかは難しい。
この間、 大阪の釜が崎の調査をしたのですが、 釜が崎の隣にはジェットコースターのあるフェスティバル・ゲートという遊園地があって、 お互い全く関係のない感じです。 地理の近さは意味がなくなってきている。 そういう街と街との無関係さを、 私は「分裂都市」と呼んでいます。 最近の大阪で増えたのは観覧車とホームレスです。 全然関係ないものが隣り合って、 しかし無関係に存在しているということです。
司会:
そうした分裂が混沌を増殖させていると思うのです。 その整理のされなさは、 パブリックの概念から見るとマイナスなんでしょうか。
平山:
分裂した部分の一つ一つの中身を見ると、 定義がはっきりしているのです。 隣とは関係ないという状況は、 パブリックではなくなってきているということです。
司会:
モザイクのように、 一つ一つのピースの色ははっきりしていて、 本当の混沌にはなってないということですね。
ありがとうございました。 では、 これから会場からの質問を受けたいと思います。
分裂都市
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