都市再生の都市デザイン
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都市デザイン展開の体系

 

構想、 計画づくりの段階区分

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図1 都市デザイン展開の体系
 図1は都市デザイン展開の体系を示した図です。

 構想、 計画づくりの段階を、 基本構想策定段階、 基本計画策定段階、 実施計画策定段階、 事業実施段階と便宜的に区分しています。

基本構想段階
 都市開発プロジェクトは様々な基幹的事業で構成されています。 例えば区画整理事業や街路事業です。

 それぞれどのような手法で誰がやるかをお互いに合意するまでの段階を、 基本構想策定段階とします。 この段階では、 1/5,000から1/2,500ぐらいのスケールで、 おおよその絵が描かれます。

基本計画段階
 次に、 決められた手法で決められた事業主体が、 それぞれ担当する施設もしくは事業の計画を、 個々に検討したりお互いに調整しながら都市計画決定します。 基本計画がまとまって都市計画決定すると、 その後それぞれの事業について認可されます。 この段階までを基本計画策定段階と呼びます。

 色々な段階を検討する図面のスケールで区切ろうとする考えもありますが、 それは間違いです。

設計段階
 その後は実施計画策定段階、 つまり設計段階に入っていきます。 区画整理事業であれば、 決められた事業区域についての区画整理の設計を始めます。 道路であれば、 決められた道路についてどういう断面構成にするのか、 どういう舗装にするのかを考えます。 そして、 実施計画が認可されることをもってこの実施計画段階が区切られます。

工事段階
 ここからは事業の実施段階です。


都市デザイン展開の段階区分および検討事項

 これらの段階を、 空間を構成していく段階と、 景観を形成していく段階に分けて捉えると、 基本計画策定段階までが空間構成の段階と言えます。

 それに対して都市計画決定の後、 様々な施設、 道路、 公園、 広場、 駅前広場などを設計していくあたりからが景観形成の段階です。

 ただ、 基本計画策定段階ぐらいから、 景観形成と空間構成を行ったり来たりする作業が発生してきます。

空間構成段階
 まず基本構想段階では、 プロジェクト地区の空間的な骨格づくりとか都市デザインに関わる工夫、 具体化に関わる枠組みづくりといった作業をします。 例えば土地利用とか交通施設の計画では、 土地の需要や交通量など、 およそ空間とは関係ないところで議論が進みます。 それに対して空間的な骨格づくりの視点を押し込んでいかなければなりません。 そうしなければ、 空間的におもしろい街ができません。

 その次の基本計画段階では、 施設別、 地区別にデザインを深度化していきます。 例えば、 公共施設に対する建物の構え方や街に対する建物のあり方など、 建物の粗設計を考え、 そこで考えたことを設計段階へのデザイン方針としてしてまとめていきます。

 次の設計段階に入ると、 建築設計、 ランドスケープデザイン、 照明デザイン、 色、 パブリックアートなどいろいろな専門デザインに関わる方が参加し始めます。 そういう人達に基本計画段階でまとめたデザイン方針を伝え、 空間構成段階が終わります。

景観形成段階
 設計段階では、 個々の施設の設計や施設間の設計調整がなされます。

 工事監理段階は、 事業主体が進める工事監理へのアドバイスをしたり、 計画者がデザイン監理をしてゆきます。

 

 以上の都市デザインの流れのなかで、 基本構想段階と基本計画段階での骨格的な空間づくりがもっとも重要です。

 たとえば基本構想段階において、 街区の構成や空間構成に留意した基盤施設の計画や土地利用計画を考えることはその一つです。 それから、 空間構成に対応した土地の操作です。 区画整理事業の設計をしたり道路の配置を考えても、 意図した空間を実現するためには、 沿道や広場のまわりに狙った建物が建たなければなりません。 そういう建物を建ててくれる人の土地を、 道路の沿道や広場のまわりに配置していく作業です。

 一口に土地を配置していくといっても、 区画整理事業の場合には減歩も関わり、 再開発事業であれば権利変換が上手くいくことも考えながら、 意図した建物を建ててくれる人をうまく配置できるようにしなければなりません。

 さらに基本計画段階では、 基本構想段階での取り組みを受けて

を三位一体的に絶えずくるくる回しながら空間を作っていくことになります。 そこが一番大事な点だと思います。

 今日は、 このプロセスを具体的なプロジェクトでお話します。 主に、 北海道の帯広で行った都市デザインの取り組みについてご紹介します。

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