ですから、 ドイツの都市計画とは市内を対象にしたものです。 おそらく世界で一番細かい規制がとられていると思います。 このスライドは、 個人の民間の敷地を規制した計画図で、 敷地の中の黒く塗られた部分が家を建ててもよい空間で、 それ以外は建ててはいけないのです。 このような図をまず役所が作っておくのです。
誰かがここに家を建てようと思ったら、 まず建築申請をしなければなりません。 その申請が計画に合っているかどうかをチェックされた上で、 初めて許可が下りるのです。 消極的な都市計画だと言われればそうかもしれませんが、 こうしたBプランをつくるのには非常に時間がかかり、 だいたい2年ぐらいかかります。
ただし、 市内全部にこうしたBプランがかかっているわけではありません。 ほとんどの市域にはかかっていません。 かかってないところではどうしているかというと、 建築許可の基準としてはたった一言「その周辺になじむ建物であること」という条項があります。 その条項をもとにして、 許可が下りたりはねられたりしています。
このことをドイツ語で「アインフューゲン」と言いますが、 これは何か欠けたものを埋め込むという意味です。 つまり、 建物で言えば周辺と同じような物を建てなさいということだと理解してよいと思います。 周辺が住宅で3階建なら自分のところも住宅で3階建にしなくてはいけません。 このような強い規制でまちづくりが行なわれています。
|