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都市環境デザインの仕事の現状

 私は建築設計も都市計画もやっていますが、 両方をまたぐものを仮に「アーバンデザイン」と呼ぶと、 それもやっています。 PPI計画・設計研究所のスタッフは都市計画系と建築系に便宜的に分けていますが、 私自身は両方に目を通しています。 12、 3年前から住民参加型まちづくりも欠かせないテーマだと考えて、 豊中市や大阪市などの住民参加型まちづくりにもコンサルタントとして参画しています。

 「都市環境デザインとは、 単に都市づくりやまちづくり、 都市計画の与件を説くだけではなく、 仕組みや最後のデザインまで考えなければならない」という教科書的な言い方がありますが、 私の仕事はまさにそれらをトータルにやっていることだと思います。 しかし日本では、 都市環境デザインはこうあるべきといわれる一方で、 実務家としては何か一つのことをこつこつとやっている方が受けがいいようです。 例えば「陶芸一筋」というように、 「建築デザイン一筋」の方がむしろ評価されやすい風土があって、 ちょっと割りを食っている気もします。

 「インテリアデザインから都市計画までやっているなんて、 少し幅が広すぎるのではないか」といわれることも重々承知の上で、 「ここまで来たら突っ走るしかない」と思って仕事をしています。

 ところで、 都市環境デザインの仕事の説明は、 同じマインドを持っている人達との会話ならば通じやすいのですが、 一般の人にはちょっとしづらい面があります。

 仕事の発注は、 官公庁や都市基盤整備公団などからくるのですが、 基本計画の段階、 実施計画の段階、 アクションプランの計画の段階と、 いろいろなフェーズで細切れにくる場合が多く、 契約上の守秘義務もあって「自分はここでこのように考えて専門家としてやりました」となかなかアピールできないのです。

 卑下した感じで「お手伝いのコンサルです」と言われる方もいます。 一般的には実態としてそんな感じで終わる仕事が多いのでしょうが、 それを繰り返していたのではなかなか専門領域が確立していかない。 やはり、 市民権を得るためには、 いろいろな機会を捉えて我々専門家は発言していかなければならないと思っています。

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